第3話

「萌叶さん。俺と付き合ってください」

3年D組の教室に告白が響く

「えっ...あの...そのごめんなさい」

突然クラスの遙(はる)君に呼び出され、もしやと思っていたがあいにく告白だった。

「そう..か..。ごめん」

「こちらこそごめんなさい。実は私好きな人がいて。この学校じゃないけど」

「どんな人なの?」

「いっつもぐた~としてるけど、度がつくほど優しくて頼れる人かな」

「なんか...ごめん」

「いや遙君は何も悪くないよ。こちらこそ期待に添えずごめん。でも友達として仲良くしてこ」

「わかった」

いま思えばメリハリをつけず傷つけたくなくて言ったこの言葉が自分の人生を一変させるとは思ってもいなかった。

それから何ヶ月かたって夏休み。遙君から勉強会の連絡が来た。場所は遙君の家。

何となく気まずい感じはあったけど断ったことが申しわけなく思っていたから行くことにした。

「いらっしゃいどうぞ中に入って」

くまができている遙君が出てきた

「お邪魔します。誰もいないの?」

「あぁうん。普通の平日だからね。俺一人っ子だし両親は共働きだから」

「こっちだよ」

「あ、うん」

なんか違和感を感じる。

遙君ってこんなに話すっけ?

そう思っている内に部屋に着いた

「わぁー綺麗」

白を基調とした洗練された部屋だった

「そこのテーブルで勉強してて下さい」

「うんわかった」

それから互いに教えながら勉強し気づいたら午前11時となっていた。

「喉乾いたね。なんか飲み物を持ってくるよ。」

「ありがとう」

優しいな遙君はと思った

「はいどうぞ」

そうして冷えた緑茶を渡してくれた。

「ありがと」

一口飲むのと少しだけ苦かった。

そしてとても眠くなった。

やばいと思いつつも意識は深く沈んでいく。

そして最後に哀しい顔をした遙君がぽつりと

「ごめん」と呟いたところで意識は消えた。



「...うっ...はっ!!」

起きたら遙君のベットの上にいた。

「あれ服は?」

何故か服を着ていなかった。

そして遙君もいなくなっていた。

ふとテーブルを見ると紙が置いてあった。

"ごめんなさい"と

そしてやっと気づいた。

でももう遅かった。

次の日、川で遙君が浮かんでいるのが発見された。

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育児ベタな萌叶さん @kanayumehuka

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