第8話 ワイバーン3
息絶えたワイバーンが空中に漂っている。
バリスタの銛に仕込まれた魔導浮動機(プミル)が獲物を落下させないようにする。
プギアゼラ(魔導飛機)が牽引用のロープのついた銛をワイバーンに打ち込んで曳航する。
プミタスグリ(空族園)の教練用の解体場にワイバーンを下ろす。
プミタスグリ中が大盛り上がり。
子供達には初めて目前で展開された狩りの場面。
そしてその狩りに参加して強弓を放った経験。
教師達の活躍。
高揚感でいっぱいだし、教師達への尊敬と信頼感が一気に上がった。
教師達も嬉しそうだ。
「先生ー。凄かったー。かっこよかったー。」
「お前たちも良くやったー。」
今頃ザウリグラ(捕鯨)に出かけたリットやクラリスもこうやって働いているのかな。
ゼデは遠い空を見上げる。
「みんなー。これから解体を始めるぞー。そして今日はワイバーンの唐揚げだなー。」
大歓声だ。
そりゃそうか。
「ゼデー。そう、多分その辺。」
解体の教師がゼデにバケツを持たせてワイバーンの背中を歩かせている。
「まだラプト(飛行石)が抜けた様子がないから運が良ければ採れるかも。ちょっとバケツを逆さに持ってその辺をウロウロ....」
カンっとバケツが音を立てるとゼデがバケツごと飛び上がる。
「おーっ。やったー。採れたー。」
先生大喜び。
「えーっと、ゼデは大丈夫なの?結構高いところまで上がっちゃったよ。」
ナイクが心配そうに見上げている。
「ゼデのプミルがラプトにリンクしてコントロールするようになるからじきに降りてくるよ。」
「凄いよラプトが手に入るなんて、これでドリアゼラ(捕鯨母船)が3機は増やせるぞ。」
先生達が大喜びしているところにふわふわとゼデが降りてくる。
ラプトはゼデのプミルのコントロール下にあるのでもう空の彼方に飛び去ってしまうことはない。
ゼデがバケツの中からこぶしぐらいのラプトを取り出して長老に渡す。
「でかしたー。今日はご馳走じゃー。」
親兄弟が狩りに出かけている間プミタスグリの生徒は学園の宿舎で過ごす。
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