俺の回想は長い
この時期に転校生が来ることは……去年はなかったな。
二年生を二回してる人ならいるけど……やっぱ留年するなら二年生だよな!!
だって修学旅行に何回も行けるんだぞ……多分
そもそも俺数学で単位落としそうになったからなぁ
サインコサインタンジェントのやり方が
さっぱりわからなくて困ったんだよな……その時に千紗が教えてくれてな
回想
「やばいやばい今回の数学のテスト……いや毎回だけどこのままじゃ単位落とす!! せっかく母さんが血反吐を吐きながら稼いでくれたお金で入学したのに……このままじゃ母さんの頑張りが無駄に……」
その時突然千紗が
「なら私が教えてあげるわよ!!……べっ別に琇のためじゃないわよ!! 人に教えてたら自分も勉強になるって聞いたから教えるだけよ!! 琇の部屋で二人きりで勉強会したいとかそういうわけじゃないからね……なによ琇……何か言いたそうな顔してるけど…………そっそそそんなに見つめないでよバカ!!」
「何か言いたそうって……まあな(そりゃ見つめるよ千紗は可愛すぎるんだから……ていうか二人で勉強会とかないそれ、幸せすぎるんだけど!! ああもう楽しみで仕方ないんだけど!!)勉強会するにしても日程はどうするんだよ。二人でやるんだろ…………」
その時絵梨が
「なあ俺にも勉強教えてくれよ二人とも〜」
と泣きついてきた。
すると千紗が
「あんたのとこのラグビー部の武田に教えてもらえよ!! いつも武田が一位だから……私が二位…………私より武田に教えてもらったほうがあんた的にもいいんじゃない?」と言ったのだが絵梨が
「いや、武田は……教えるのがとてつもなく下手なんだよ。前にラグビー教えてもらったらな……そこをバァ……とかシュッと進めとか……武田はな教える時擬音ばっかなんだよ!! 千紗の方が教えるは上手だから……ダメか?」
「……だめ……じゃないけど(これじゃあ琇と二人きりになれないじゃない!! でも絵梨は困ってるし……放って置けない……ああでもでもそうしたら…………)」
千紗が困ってそうだったから俺は
「ならさ絵梨にも勉強を教えるとして……二日間するとして、その中時間で区切ればいいんじゃないか……だって流石に千紗一人で二人を教えてたら大変だろ。本当は俺にも何か出来れば……」
「だったら琇は……その……ご飯を作ってよ……だっだって琇は料理研究部なんでしょ……だからその料理を私と絵梨に作りなさい!!(なんでこんな言い方しかできないの……ただ普通に琇の料理が食べたいから作ってって言えばいいだけなのにぃぃぃ、私のバカァ!!)」
料理……か、それぐらいならいいかな。
それにちょうど今日部長の夜見華瑠深(よみかるみ)先輩から
『明日までに何か三品は作ってきてね。宿題です! その作ったものを明日の部活で作って一緒に食べようか♪待ってるからね』
部長から教わることは多いし……それに料理研究部に入った理由……千紗に俺の料理を食べて欲しいって理由だし……千紗に言ったら嫌われるかもな
「料理ぐらいならいいぞ……俺と千紗と絵梨の三人分作るから……材料はどうするんだよ」
その時絵梨が
「材料なら俺に任せとけ!! 昨日母ちゃんが野菜の仕入れの量間違えて倉庫がいっぱいだからな!!……本当残ったらどうしようかと思って困ってたんだよ。
誰かに配るにしてもアレルギーとか聞かないとだろ……そうしてたら配りきれないしな……みたいに考えたからさ、本当ありがとうこれで少しだけでも減るよ。
二人も誰かもらってくれる人とか探してくれないか……さすがに三人で食べただけじゃ全部なくならないから」
「「分かった探してみる」」
そこから俺たち三人は勉強会を楽しんだ。
俺はこの勉強会のおかげで数学の単位を落とさずに済んだ。
回想終わり
その時絵梨が
「なあなあ、琇考えごとは終わったんだろだったらさ、転校生にさ……会いに行こうぜ!!」
と言ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます