第13話

 かくいうわけで、わたしは『穢れ』から生み出される魔物の討伐隊に同行することになった。今度の討伐には勇者くんもくるらしい。名前くらい聞いておこう。


「トーコさん! 大丈夫ですかあ」

「他の人たちもいるし大丈夫よ」


 クロエは相当心配してくれておるようで涙目だ。


「トーコさんがいなくなったらこんなにピカピカにできませんよう」


 掃除の心配だったか。


「とにかく大丈夫!」


 わたしより心配している人がいるおかげで不安が軽くなってしまった。


「すぐ帰ってくるから待ってて」

「はあい」


 クロエを納得させて掃除を再開する。出立は明日だ。今日は早く済ませて早めに寝よう。


 そして出立の日。陽が昇る頃にわたしたちは聖堂の玄関口へと集まった。そこには勇者くんもいる。


「おはよう」

「おはようございます!」


 勇者くんは元気そうだ。


「あのさ、今更なんだけど名前教えてくれない?わたしはトーコ」

「トーコさん。僕はセーヤです」


 お互いよろしくお願いしますと握手をする。大人としてフォローできる時はフォローせねばと決意を固めた。

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