第12話
「司教様!」
魔術師さんはおじいさんに話しかける。かなり必死なようだ。
「このものはすごい力を持っています!」
おじいさんはわたしを見る。
「ああ、このものは……」
「このものは防具の穢れを払ったのみでなく、軽量化や穢れ耐性の付与までやってのけたのです!聖女として次の出立に連れて行くべきでしょう!」
魔術師さんはおじいさんの言葉を遮って言い切った。詳しいことはわからないが褒められている気がするので胸を張っておく。
「なんと! そこまでとは」
おじいさんは落ち着いた魔術師さんにわたしが聖女であることを説明した。
「気づかず申し訳ない」
魔術師さんは頭を下げる。
「いえいえ、最近決まったことですから」
頭をあげてください、と言うと魔術師さんは申し訳なさそうな顔のまま顔を上げた。そんな顔しないでください。掃除と洗濯スキルがあるだけなんです。
「しかし出立に同行か……妙案かも知れぬ」
おじいさんは顎ひげを撫でながらそう言った。また何かに巻き込まれている気がする。
「よし。トーコよ。次の出立に同行せよ」
やっぱりですか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます