第4話

 掃除と洗濯のスキル……そりゃ一人暮らしだったから人並みにはできるけど。もっと魔法とかのスキルが得られるものじゃないの?


「お嬢さんは巻き込んでしまっただけのようだ」


 おじいさんは申し訳なさそうな顔をしている。


「すまない」

「あのーそれならいますぐ帰るってことは」

「それはできないのです」


 どうやら召喚の術式は一方通行らしい。つまりわたしはこちらの世界で生きていくしかないのだ。


「そんなあ」

「本当にすまない」


 おじいさんは頭を下げる。


「お詫びと言ってはなんだが」


 上目遣いでわたしを見る。


「なにか望みはありますかな」

「はあ」


 望み……望みかあ。こういうときどういうことを言えばいいのかわからない。とりあえず生きていく道を得なければ。


「働かせてください」

「はい?」


 おじいさんをはじめ、周りの人たちも困惑している。


「ここで働かせてください」

「それでいいんですか?」


 なんと言われてもここで働いて衣食住を確保せねば。


「ぜひ!」

「はあ……」


こうしてわたしは働き口を手に入れた。

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