第7話 夜の街
ブラブラとここはどこだろうと、街を散策していると、街から人通りは急に無くなった。
これはどういう事だ、と質問する相手すらいない。ただ少しの人形の機械が働いたり、機械仕掛けの馬が置かれているのみたっだ。
急に人がいなくなって、不安になり始め早歩きで歩き出した頃、後ろからゴロゴロと馬車の走る音がした。
マルセルは振り返ると、オムニバスの様な馬車が近づいてくるこに気がついた。
「おい、そこで何している」
馬車の中から声をかけられた、機械仕掛けの馬の後ろに駅員のような警察ような服装の男型の人形がいた。今街にはマルセルしかいない、自分以外に話しかけたとは思えなかったが何から聞くか迷ってしまった。
「家はないのか? まさかわからないのか?」
「家の位置がわかりません」
「じゃあ、早く馬車に乗れ」
状況は読み込めなかったが、相手の気迫に押され馬車に乗り込んでしまった。
馬車は大きいというのに、誰も乗っていなかった。
「全く霧迷宮の日に何を考えているんだ、最近起きたのか?」
「え? えぇ最近石棺で......」
「記憶もいっちまったんじゃないか、まぁいい今夜はフィンザール塔で過ごせるからな」
マルセルには何を言っているのか全くわからなかったが、もしやここはフィンザールという地名ではないかと思ったが、あまり聞いては白痴とでも思われるのではないかと思い何も聞かなかった。
マルセルうぃ乗せた馬車はスィーと加速し、振動は少なく、滑る箱の中にいる気がしたほどだ。
しばらくすると、ヴィクトリアン朝の建物の密度が上がり、霧が薄らと立ち込め始めた。
馬車は小さな川を渡った、それは城の堀だったが、馬車の中にいると川かどうかわからなかった。
馬車は緩やかに減速すると、煤けた城の中庭に停車した。
「早く降りろ、もう霧が出始めた」
駅員みたいな警察みたいな男は腕時計を気にしながら、ソワソワしていた。
マルセルの背中で大きな城門が閉まる機械的な音がした。
城のなかに通された、ほとんど内部は刑務所のようで、居心地は悪いがきっと何かから救われたらしいから、マルセルは文句を言えなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます