第13話 思わず「出歯亀」の本性が…? 


  女子中学だから、年がら年中可愛らしい女の子ばかりなのはいつもの日常だが、完全に私服の普段着、それも初夏で暑いから、タンクトップやら浴衣やら悩殺的なミニスカートで太ももがムチムチ見えていたりのいでたちの、ピチピチのきれいなJCが、若鮎の群れみたいに40人も集合している…そういう開放的な天国的な雰囲気というのは、教師をしていてもレア体験だった。


 実を言うと、なんとなく根がすきもののおれは、男の根元がかなり硬直してしまってきた。

「センセイ!そわそわしてどーしたの?赤くなってるやん!カワイイ!」

全員が一斉に哄笑したので、教師の面目がつぶれて、おれは小さくなった。

こういうことはたまにあるが、教師が、生徒たちの前で、というのがなんかツライ感じだったが、元気な証拠で、オンナのハダカを観ても何も感じなくなったらおしまいだ!と、開き直った。


「 「肝試し」って言ってるけどね、別に危ない夜道を歩いていくんじゃないのよ、センセイ。心理ゲームと王様ゲームをね、組み合わせたゲーム大会なの。まずね、投票で、「いけにえにしたい人・ベスト5」を選出してね、順番にてんでに質問してね、イエスかノーかを言ってもらうんです。これはホントのことを言わなくてもいいの。で、ここにポリグラフ…うそ発見器を用意してあるから、さっきの答えが嘘かホントかをさらに聞くのね」…


 要するに、その結果、「いけにえ」が、嘘を言っているかどうかを全員が挙手で判定して、うまく皆をだませば「いけにえ」の勝ちで、勝った「王様」は自由に希望を言っていいことになる…そういうゲームだというのだ。


 なるほど…最近のJCは考えることもすることもしゃれていて、ませてもいる。


 「投票の結果…第5位は平井さん!」

 ”平井さん”は、「えーうっそー!」とステロタイプな反応をして、ほほを押さえた。弩っと笑いが起きる。

「第4位は、藤堂さん!」

”藤堂さん”も、顔をしかめて、「もーサイアクー」とありがちなリアクションをした。

 「第3位は、清宮幸世さん!」

”幸世さん”は、此の世で一番不幸なののが私、という表情をして、”OH,JESUS!"と外国人が言う時のポーズをまねた。

「第2位が、知野春香さん!」

マドンナも、悩殺的なタンクトップとミニで決めて来ていて、さっきからこっちに時々視線を送ってきたりしてたが、たちまちぱっと赤くなって、帰りたそうな表情になった。…


<続く>

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”坊ちゃん”2024 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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