第2話 GTO
少し高い教壇から、教室全体を睥睨、俯瞰する。
JCだらけ...イエス・キリストでも青年会議所でもない、もっとも尊いニンフェットのJCが40人ほど集まっていて、純真な瞳を見開いてこっちをまっすぐに凝視しているのだ。
「私が新任の英語教師の大仏太郎です。大佛次郎という作家と同じ漢字です。兄弟では無い。(笑)ホトケのオサラギ、ジェントル・ティーチャー・オサラギ、GTOと呼んでくれたまえ。(笑)英語でも分かると面白い。そういう愉快さを共有したいと思います」
「質問!」
一番前の、目立つところから、利発そうなJCが挙手して立ち上がった。
「なんだね?」
「出身大学とか、特技とか趣味とか教えてください!」
「都の西北~という歌でお馴染みで、高田馬場にあって馬場典子さんも卒業してる…オクテの反対語の大学卒業だ。特技は料理ですね。意外だろう?趣味は英語で詩を書くことです。だから「海潮音」なんかも愛読書です。明治の頃に有名だった詩人のね、これは翻訳の詩集で…」
こんな感じで最初の一限はやり過ごせた。
生徒は田舎だから純朴で、かわいらしいことこの上ない…一見そう見えても、現実には一皮剥けば、修羅場が背中合わせのはまあ、世の中である。
それを学ぶのが学校のレゾンデートルなんだしなー?
職員室で渋茶啜ってくつろいでいると、英語担当の主任がやってきた。
「つづく」
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