【第二回短歌・俳句コンテスト 短歌ニ十首】

ソン リョテ

カキツバタ

蹂躙がされたらいいねカキツバタまっかに流れる僕の血潮


獅子色になってしまったカキツバタこの純情をパンにしてくれ


輪になって羽根を結ぼうカキツバタ東海道新幹線折る


ダンスなら奥歯でしようカキツバタπを降らせる心拍数で


瑠璃色のさいこめとりーカキツバタ数式に雨降ることもなく


伝えたいことなんてないカキツバタ扁桃腺に似せた純情


含むのは羊水的なカキツバタ ビル一面に金色の鯉


効力を溶かしてみればカキツバタ権現するは青色の像


羅列にも意味があるのかカキツバタ地底では廃れたルッキズム


象形で東京になるカキツバタ百本の薔薇展覧会へ


奈落とは海原のようなカキツバタ幽霊船はサンタマリアへ


羅列すら閉じこめてくれカキツバタ凍土すら飲むロールケーキよ


傷口に光の粒とカキツバタ揺らめく春に首筋を噛む 


黄金で造られし手のカキツバタ永遠とはくちづけというもの


転向を迫られているカキツバタ死ぬならビニールハウスでがいい


ヴァルハラは増築されりカキツバタ エレクトリカルパレード曇り


出会うのは百年前だカキツバタ貴方へと差す白い瞼を


復唱がされるのは海カキツバタ宝石商に出会うなら朝


復刻を飲めば死ねるよカキツバタ鼓膜に付いた窮屈な春


燕子花図屏風燃やせカキツバタ新星爆発とは最期


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【第二回短歌・俳句コンテスト 短歌ニ十首】 ソン リョテ @huka0111

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