第18話
変更点
王子の年齢を18から19に変更。
キラズ・バランの年齢も15から16に変更。
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「いや……え、それってお嬢様の勘違いでは………?」
「何か言いましたか? ナンガ」
「イエ、ワタシハ、オジョウサマニツキシタガウシツジデス」
「宜しい。それじゃ、再開しましょう。今の私は気分が良いの」
「………畏まりました」
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<キュリズside>
王城に戻ったが、特にお叱りを受けることはなかった。まぁ、婚約者の家に行くぐらい、普通のことか。勉強せずにどっかに行ったのもバレていなさそうだし。
いやしかし、問題行動を起こして王子として相応しくないと思わせるのには失敗したか………
外をほっつき歩き、婚約者のところに行く遊び呆けている王子ではなく、勤勉に勉強して婚約者と仲の良い王子に見られることだろう。
それは私の望むところではない。
上手いことやって、王子という立場から逃げなきゃ………って、なんで私は落ちぶれようとしてるの? 王子という立場が嫌なら逃げれば良いのに……別の国とかに身分を隠せば、多少不都合だろうけど自由になれる。よし。逃げ出そう。
そう思ったけど、体は行動に移さない。
なんで……!? 元々の王子サマの思念? 何かは分からないけど、ナニカが邪魔しているっぽい。私以外の存在が私に居るようで気持ち悪い。でも、王子という立場を辞めるってことは出来る。
………もうちょっと、王子サマについて知っておいた方がいいかもしれない……
調べ方は……ボタンに急に聞いたら訝しまれるだろうし、キュリズ様にはあんまり接触したくない。そこら辺にいる使用人に聞き出してもいいけれど、ボタンと同じだろう。
もしかしたら、部屋に日記のようなものがあるかもしれない。
薄い望みに賭けて、部屋へと向かおうとした時、ボタンに声をかけられた。
「ああ、若様。ちょうど良かった。今から部屋に向かおうと思いまして」
「爺やか。どうしたんだ?」
「主を立たせたままにするのは失礼ですので、お部屋へと向かいましょう。すれ違いにならなくて良かったです」
部屋に入って、私だけ椅子に座る。使用人が主人と共に座るなんて認められないからね。
「それで、話ってのは?」
「若様のお父上……プラム様が、近々パーティを開始すると申しておりました。若様には、そちらに参加していただきたく思います」
「え、パーティ? なんの?」
「もうすぐ、若様の20歳の誕生日記念ですので」
この国の平均寿命は長い。確か100歳ぐらいだったかな? 薬草を栽培しているおかげで病気を治しやすいからだ。
だからこそ、20歳は節目のように扱われる。まぁ、成人式みたいなものか。それに、平民だったらパーティなんてしない。一家庭か、せいぜい仲の良い家同士で祝うだけだ。王家……いや、貴族に連なる者だからこそ、派手にやるものだ。個人的にはこうやって派手にやるのは好きではないけれど、国が裕福という証だと思っておこう。
「断れないのか?」
「前までの若様なら、無条件で断っていたでしょうし、プラム様も了承したでしょうね。今はダメですが……」
「ん? なんで、前までなら断れたんだ?」
「昔の若様は、バラン公爵令嬢を毛嫌いしておりました。婚約者と王子との仲が悪いことを外にアピールできるはずがありません。しかし、今はそうではない」
「私がバラン公爵令嬢と仲が良いように見えた。だからか………」
やはり、家に行かなければ良かった。それ以外の積み重ねもあるだろうが、決定的になったのはそれだろうし………
「というわけで、若様には今から服をご用意させていただきます。新しく仕立てさせますので、採寸させていただきます」
そう爺やが言うと、測る為の道具を持ってきた使用人がやって来た。
「それでは、始めさせていただきます。抵抗しないでくださいね?」
爺やがパンッと手を叩くと一糸乱れぬ様子で私の体を調べて行く。テキパキと進められて行く様を見て、私はすぐに諦めた。
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