第8話
抜け道から出て来た。
洞窟のような形になっていて、行き止まりの上に出口がある。一本道だけど………大丈夫かな?
穴の周りは一応、不測の事態の為に最低限の手入れはされているようだが、周りは雑草だらけで、一目見ただけではここに穴があるとは思えない。
……………いや、わざとかな? 抜け道があることを悟らせない為か。まぁ今はどうでもいいや。
街の探索を楽しもー!
「あら、キュリズ様………今日もお出掛けですの? 私も混ぜてくださいなっ」
…………!? なにか言いもしれない寒気が背筋を走ったけど、気のせいかな? うん、そうに違いない。すぐに離れよう。そうしよう。
おおー! すごく活気に溢れてるね。
娯楽施設とか何かないかなーって思って探してみたけど、無かった。この世界での娯楽施設はせいぜい酒場や娼館とかだ。おまけに開いてるのは夜。まぁ、昼間から開いてる酒場もあるけど、行く気は無いしね。
娯楽施設は通り過ぎ、市場の方へとやって来た。前世のようにスーパーマーケットなんてあるわけないし、露天商しかいない。
そして、やはりと言うべきか、
売ってあるものは大抵、乾燥させたものだ。
果物は基本的にドライフルーツとなっている。ドライフルーツと化していないものも、有るにはあるけど。
そして魚類。魚類は全て干物になっているし、高級品だ。この国は内陸だから、運んでくるまでの費用とかを考えたら、最低価格でもそれなりの値段がするだろうしなぁ………氷があったりしたら、長持ちもするだろうけど、氷を作る技術なんてないだろうし。私も氷の作り方とか知らないし。
氷点下の時に水置いとけばいいんじゃないの?
知らないけど。
あとは野菜系か。
この国は薬草がよく輸出されている。そして、その起源は野菜の栽培からだ。薬草を見つけた時、これらを栽培できるのでは?と、考え、その結果がこれだ。他にも、香辛料なども多く栽培されていたりする。
まぁ、何か買ってみるのもアリだけど、お金を持ってないんだよねぇ………盗むなんて論外だし。
取り敢えず市場は置いといてこっちの方に向かおうかなー。
ここら辺は店を持っている商人らしい。売ってあるものは服、日用品の他に、レストランみたいな場所まである。お金もないし、何も買わないのに店舗の中に入るのは気が引ける。
んー……………見るのは楽しかったけど、買って食べたりするのもしたかったなー。
ん? あ、裏路地だ。こーゆー裏路地って何かあるよね、絶対。
危険物を取り扱ってる闇商人だったり?
怪しい組織だったり?
うん、気になる!
ちょっと、ちょっとだけ覗くだけだから良いよね? 大抵治安が悪かったりするけど、大丈夫だよね………?
人生は挑戦だって偉い人が言ってたし、行かなきゃ損だと私は思うのよ。
とゆーわけで、行ってみよー
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