零夜多め

自分の構成員が好き過ぎる零夜が、その構成員達とラーメンを食べに行くだけの話

〜現在地:アジト・食堂〜

〜零夜視点〜


俺は最近、野郎共に囲まれて思う事がある

コイツらばりイケメンじゃね?

いやね?顔面偏差値高いのは分かるんだよ

うん、いや痛いほどわかる、俺でも「コイツらめっちゃイケメンだな、ぶん殴りてぇ」って思う時あるもん、殴りたいは嘘だけど

いやでもイケメンとはめっちゃ思うんだよ

忘霓なんかすごいよ?凄いカッケェ殺し屋って感じがして、もう俺が一般人ならできるだけ近づきたくないもん、幻響も結構スーツ姿カッコイイけど、殺る時の殺気が凄すぎて一緒に任務した時チビりそうになったもん


そんな事を思いながら俺はウォーターサーバーで注いだ水をちびちびと飲む、女性陣も可愛いしカッケェよなぁ、朧月なんか身長150cm台なのに、戦闘時とかガチカッケェもん、だけどご飯食べてる時とかは可愛いし、そのギャップがね?すごいよね


叶翔「零夜、隣いいか?」


すると、後ろから肩をコンコンと叩かれる

どうやら叶翔が来たようだ、断る理由もないので、俺は「あぁいいぞ、座れ」と言う

叶翔はフッと笑い「ありがとう」と言い、俺の横に座る


叶翔「何をしてるんだ?」

零夜「んぁ?あー」


すると、叶翔がボーっとしている俺を見て、何をしているかと言ってくる


零夜「んいや、なんも無いよ」

叶翔「?、そうか」


叶翔は俺の返答に「?」と言う顔を浮かべる

まぁ、「俺の構成員達が可愛いしカッコイイんだけど」とか、正直ドン引き物だろう

だからこの感情は、ソッと俺の胸の奥にしまっておくことにした


叶翔「それにしても、最近暇だな」

零夜「そうだな〜、薬の売買の方も順調だし、変な虫も来ないし、血気盛んな幻響くんとか終夜くんはお暇してるだろうね〜」


頬杖をつきながら叶翔と話す

まぁ、最近は特に何も無い、血気盛んなアイツらは暇しているだろう、どうにか頑張って抑制してもらいたいものだ、そんなことを思いながら水をちびちびと飲み進める


零夜「あーなんか、飯食いに行きたい」

叶翔「そうだな、もう昼だ、何か食いに行くか?」

零夜「いいな、最近いいラーメン屋ができたらしいから、食いに行くか」

叶翔「分かった、誰か連れていくか?」

零夜「レイテルで確認取るか」


俺は零夜組専用メッセージアプリのレイテルを開き、『誰か飯食いに行かん?』と文字を入れ送信ボタンを押す


零夜「さて、誰が来るかな〜」

ピロン

叶翔「通知来たぞ」


叶翔から通知が来たことを言われ、俺はスマホの方に目を移す


仄『零夜行くなら私も行くよ!』

忘霓『幻響と鍛錬したら俺達も行く、場所だけ明記しておいてくれ』

命『私と天華も行く、場所はどこだ?』

魁『俺達も行く』

秋月『場所どこだ〜?』


通知がドンドン来る

まぁ昼時だ、皆飯の時間なのだろう

俺は『アジトのすぐ近くにできた、天上天下唯我独尊ラーメンって場所、多分アジトの掲示板でも載ってたし知ってるだろ』とメッセージを入れ、スマホを閉じる


叶翔「じゃあ、俺達は一足先に行こう」

零夜「だな、行くか」


食堂玄関に出る前に、食堂のおばちゃんに、「昼飯食ってくるよ、おばちゃんは休んでて」と一声かける、おばちゃんは「はいよ、人様に迷惑とかかけないようにね!」と笑いながら言い、俺は「了解!」、叶翔は「分かりました」と返事をした


叶翔と俺はアジトの玄関を出て、天上天下唯我独尊ラーメン店に向かう

前々から大将とは顔馴染みであり、今日開業のラーメン屋にいつか行くと約束していた

まぁ、開業1日目に来るとは、大将思いもしないだろうけどね


俺と叶翔は天上天下唯我独尊ラーメン店に向かい、道中たまに雑談をする、今日何があった?とか、ラーメン屋で何食う?とか、そう言う他愛もない話だけど


紲「ん、あら、零夜と叶翔」


すると、後ろから声がする

この声は紲だ、叶翔と俺は振り向き、紲に「巡回ご苦労さま」と労いの言葉をかける

紲もそれに対し「ご丁寧にね」と微笑みながら返答をする


零夜「そうだ、紲もラーメン屋行くか?」

紲「ラーメン屋……あんま行かないのよね」


紲はあまりラーメン屋に行かないのか、少し行くか渋っている、「無理して来なくてもいいからな」と一声だけかけ、紲は返答を考え、そして考え抜いたような顔をする


紲「たまには冒険するわ」

零夜「お、それは」

紲「私も着いてく」


どうやら紲も来るようだ

俺は「おっけぃ、俺達今向かってる最中だからさ、一緒に行こうぜ」と言い、叶翔は「食べる仲間は沢山いた方がいい」と話す


そして俺達は紲を加え再出発し、ラーメン屋へ向かう


数分談笑しながら歩き、天上天下唯我独尊ラーメンと言う看板が見えてくる、俺は「あそこだよ」と2人に声をかけ、ラーメンを早く食べたいせいか、少し早歩きになる

すると、玄関の方に人が居る


秋月「おーい、遅いぞ〜」

天華「皆さん、こんにちは」

魁「これで多分全員だ」

仄「早く中入ろっ!」


ラーメン屋の玄関には

魁、秋月、仄、命、天華が立っていた


零夜「よっすお前ら」

仄「ん、よっす!」

秋月「うい〜」

命「よぉ零夜、また徹夜したりしたか?」

零夜「今日は寝たわ……」

叶翔「そろそろ中に入ろう」

紲「そうね、お腹も減っちゃったし」


叶翔と紲が中に入ろうと言い、俺達はラーメン屋の玄関を開ける


ラーメン屋の中は、俺達以外人は居なかった

まぁ、開店初日だし、人が来ないのは当たり前っちゃ当たり前だろう


大将「お!零夜くん達!来てくれたのか!」

秋月「ちゃんと来ましたぜ☆」

叶翔「大将、開店おめでとう」

大将「ははっ!ありがとう!さぁさぁ、立ち話もなんだ!席に座りな!」


大将が俺達に向かい席に座るように促し

俺達はそれに従う、席に座りメニュー表を見る、色んなラーメンがあるな、味噌に塩、普通の物もあれば……なんだこれ、「超激辛デスソース塗れラーメン」……?

俺は大将に「大将、これは……?」と聞くと

大将は「あぁそれかい!やっぱりチャレンジメニューがなきゃつまらないだろう!」とゲラゲラと笑いながら言う、正直、名前だけで辛そうなのが伝わってくる、こんなの頼むやついるのか……?


秋月「大将!激辛ラーメン一丁!」

魁「俺も、それを頼む」


居たわ、めっちゃ身近に居たわ

大将はまたもゲラゲラと笑い「そうかそうか!それを選ぶか!ヒーヒー声上げても知らねぇぞぉ!」と言う


天華「それを……?」

秋月「やっぱり、人生チャレンジだぜ?」

命「ダウンした時の治療は、私たちに任せてくれ……」


医療班の天華と命はドン引きしているが

まぁ、うん、秋月と魁には頑張って欲しいところだ


叶翔「零夜、何を食べる」

零夜「あぁそうだ、俺は〜……」


俺はメニュー表に再度目を移し、ラインナップを見る、どれも美味しそうだが、今は醤油ラーメンが食べたい、俺は大将に「醤油ラーメンで!」と言い、大将は「あいよ!」と返事をする、その後も叶翔や仄達も注文をし、一通り頼み終える

数分経つと、ラーメンの良い匂いが俺の五臓六腑に染み渡っていく、やはりラーメンは良い、心を幸せにしてくれる、まだ食べてないけど、だが、その匂いも、鼻をつんざく激辛臭に変わっていく、俺は思わず「やんば!」と言い鼻をつまむ


大将「まずは、激辛からだな!」


大将はゲラゲラと笑いながら俺に向かい言い、激辛ラーメンを作っていく

そして数分その匂いが店内に漂い、そして大将の「はいよ!」という声と共に、秋月と魁の目の前に激辛ラーメンが出される


魁「やっば……」

秋月「ひょえ〜……」


2人の顔が驚きの顔に変わる

まぁ、スープの色赤いもんな、こんなもの見せられたら驚くのも無理はないだろう、だが、2人は意を決したように割り箸を割り、「いただきます!」と言ったあと食べ進める、秋月は「辛ッッッッッッ!!!」と言い、魁は無言だが、明らかに顔がヤバそうだ


大将「無理はしないようにな!」

秋月「へへ……でも、作ってくれたから、しっかり完食しますよ!大将!」

大将「お!じゃあ頑張れ!」


秋月と魁は自分を奮い立たせるように頬を叩き、そしてズルズルと麺を食べ進めていく、俺達は「うわぁ……」と言う顔をしながら二人を見る、そして大将は「アンタらは、普通のね」と言い俺達の目の前にラーメンを出し

俺達は「いただきます!」と言い割り箸でラーメンを1口頬張る、うん、美味しい、チャーシューもしっかり食べ応えがあり、麺も噛めば噛むほどスープの旨味と共に美味しさが広がっていく、メンマもコリコリとしているしっかりとした食感が美味しく、食べ進める箸が止まらない


叶翔「美味しいな、零夜」

零夜「だな!」

仄「あ!零夜のやつちょっと頂戴!」

紲「私も少し貰う」

零夜「ちょ!勝手に取んな〜!?」

大将「はははっ!零夜くんも大変だね!」

魁「美味い……けど辛い……」

秋月「魁水飲むな!死ぬぞ!」

魁「辛いが止まらない……」

秋月「魁ィィィィィィィィィィ!!!」

命「天華、このラーメン、美味しいな」

天華「はい!来て良かったです!」


そんな会話を繰り広げながら、俺達はラーメンを食べ進めていく


忘霓「悪い、遅れた」

幻響「皆食べてるね〜」

大将「お!らっしゃい!」

幻響「大将、開店おめでと♪」

大将「はははっ!ありがとう!さぁ、席に座りな!」


そうしていると、忘霓達も来たようだ

俺は「お、よっす!」と返事をし、忘霓達も「あぁ、遅れてすまないな」と言う

忘霓達は席に座り、メニュー表を見る

「これ美味しそうだね〜」「これも捨て難いな」という会話を繰り広げ、「大将、味噌と豚骨をくれ」と大将に注文し、大将は元気よく「はいよ!」と言う


そして数分し、忘霓と幻響の目の前にはラーメンが運ばれ、割り箸を割り、ラーメンを食べ進めていく


忘霓「うん、美味いな」

幻響「ん〜美味いね!常連になろうかな?」

大将「ははっ!君たちなら大歓迎だよ!」


そうして談笑も交えながらラーメンを食べ、気付けば皆のラーメンは、もう無くなっていた、どうやら激辛ラーメン組も食べ終わったらしく、「大将……めっちゃ美味かったよ」と遺言を残し、秋月と魁は机に伏した


天華「あら……大丈夫ですかね……?」

命「数分すれば治る」


まぁ、命の言う通り、数分すれば治るだろう

俺は水を飲み干し、大将に「ご馳走様!」と返事をし、会計をしようとする


大将「零夜くん達は最初のお客さんだからね!半額だ半額!」

幻響「お!大将太っ腹〜」

叶翔「ありがとう、大将」

大将「良いってことよ!」


そうして俺達は会計を済まし、大将に「また来る!」と言うと店を出た


零夜「ふぅ〜、食ったなぁ」

叶翔「だな、そろそろ帰ろうか」

零夜「よしお前ら〜帰るぞ〜!」


俺達は一時の幸せを噛み締め、アジトの帰路へと着いた、ラーメン屋の排気口から香るラーメンの匂いは、この一時の幸せと共に、俺達を纏った

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