第356話 お腹がグ~
ジライヤタンチャーハンのおにぎり……。
食べようかなとは思ったけど、流石に朝からはちょっと……となったので、朝ご飯はいつ振りかのトースト、ソーセージ、スクランブルエッグにカップスープ。
こういうのでいいんだよこういうので朝ご飯うぃず洋食バージョン。
スクランブルエッグにはケチャップ付けてね、ソーセージにはマヨネーズっと。
これあれだな、ホテルの朝食バイキングで自分で取るとこんな感じになる。
言うてそんな頻繁に利用してるわけじゃないけど。
「はぁ、仕事行くか」
てな感じで朝食を終え、ジライヤタンチャーハンおにぎりは職場に持ち込んでお昼ごはんに。
おにぎりって言ってもあれよ? 俺の顔くらいあるからね。
ラベンドラさん、絶対俺用に量減らすの忘れてただろ。
おかげでおにぎり一つで満腹になるぞ、絶対。
*
ただいま、という事で。
本日のご飯なんですけど?
帰宅途中にふと目に入ったハンバーグレストランの看板。
そう言えば向こうでハンバーグ作るとか言ってたな思ったわけですよ。
というわけで本日のメニュー! ババン!
ジライヤタンのハンバーグになります!!
四人は食べたかもしれないけど、俺は食べてない。
流石に見過ごせないでしょ、これは。
「……にしても、昼飯美味かったなぁ」
ちなみにジライヤタンチャーハンおにぎり、最高に美味しかった。
まず何といっても味付けよ。
俺は特に口出ししなかったし、俺だったら普段入れる味覇とかも入ってなかったんだけどさ。
ジライヤタンから溢れた肉汁が、もうご飯一粒一粒をコーティングしてて、それが美味いのなんのって。
このジライヤタンの肉汁、それだけであらゆる味付けを一人でこなす最強の万能調味料と化してたわ。
中華料理店に行くと、大体なんにでもスープ的なのあるじゃん?
ほぼアレ。そして美味い。
で、もちろんジライヤタン自体も美味しくてさ。
掛けられた魔法のおかげでずっと熱々、ラップを剥いたら湯気まで出てくるんだぜ?
最高かよ。
そんな熱々状態にかぶりつけば、まずは胡椒の香りとピリッとした刺激。
そこにジライヤタンの肉汁をたっぷり纏った米が入って来て。
一緒に炒められたマンドラゴラたちも、例に漏れずジライヤタンの肉汁を纏っておりまして。
そこにしっかり歯ごたえのあるジライヤタンが強襲してくるってわけ。
自販機で買ったウーロン茶と合わせて最高に美味しい組み合わせでした。
「ただ、流石にもう少し量を減らして欲しかったね」
完食はしたよ? でも、お腹パンパンになっちゃってさ。
午後の業務は三割くらい眠気と戦ってた。
顔洗って、水飲んで、目薬指して……。
良く抗ったと思うよ、うん。
「邪魔をするぞ」
……お? 今日はお早い渡航ですね? 何かありました?
「普段より早いですね」
「明日からダンジョンに潜るという事で、準備なども加味して早めに解散となってな」
「食事には誘われましたけれど、丁重にお断り致しましたわ」
「カケルの料理より美味い店などほぼ無いからな」
なんだろう、持ち上げるのやめて貰っていいですか?
俺の料理なんざ、ヘタすりゃ企業様が出してくれてる○○の素とかをそのまま使ってる場合もあるわけで。
俺の料理が美味いってより、この日本で簡単に作れちゃう料理の味がずば抜けてるって感じだと思う。
企業様に感謝しろ~?
「そうだ。カケルのおかげで
「? 俺のおかげ?」
「ああ、アレか」
「テンション凄かったですわね」
何が起きまして? というか、また知らんところで俺のおかげになってる……。
とりあえず話だけは聞くか。
「詳しくお願いします」
「『ヴァルキリー』が仲介としてわしらと『無頼』を、ダンジョンに潜る前に引き合わせてな」
「その時に、我々の食事が群を抜いてると向こうに説明されたんだ」
「そしたら、丁度腹が減ってると言い出して振舞うハメになり」
「ラベンドラが、こちらで頂いた肉寿司を再現してお出ししたのですわ」
あー、なるほど。
こっちのレシピを使ってもてなしたら、気に入られた感じか。
「焼き加減や使う調味料、更にはシャリの量まで細かく相手の注文に合わせてな」
「味ももちろんだが、ここまで食う側に寄り添った飯は初めてだと感激していた」
「ウニ鱗と塩ももちろん大好評でしたけれど、『無頼』はマヨネーズがお気に召したみたいでしたわ」
? ちょっと色々ツッコミどころが。
どういう事?
「昨日のカレーで、個人の好みに自分で合わせる、という重要性に気が付いた。そこで、いつぞやの焼肉の時のように、様々な調味料を好みの量使えるようにしてな」
……あー、サムギョプサル風って言って、焼き肉の時にやったような……。
「『無頼』だけじゃなく『ヴァルキリー』も感激しておったな」
「辛い物が好きな者と苦手な者が混在しとるからなあそこは」
「ちなみに『無頼』は、「あまり好んでは食わねーな」との事らしいぞい」
ふむふむ。
辛いものはそこまで好まない、と。
「ただ、根っからの酒好きであるらしくてな」
「ガブロとツマミの話で意気投合していた」
「向こうが持っとる酒も分けて貰ったぞい。飲むか?」
と、出される酒
異世界にもあるんだ、それ。
あと、持って来れたんだ、異世界の酒。
俺自身はマジでお酒に弱いからな~。いくら異世界のお酒って言ってもなぁ~。
「飲みます」
まぁ、飲むよね。
って事で、異世界アルコール初体験。行ってきます!!
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