第316話 0カロリーデザート()

 ……はぁ、某ドーナッツショップの冷し胡麻豆乳担々麺が美味い。

 ――いや、違うんです。

 普通に買い物に来たはずなんです。

 でも気が付いたら足がドーナッツショップへと歩きだしちゃって……。 

 む、無意識だからセーフですよね?


「フレンチなクルーラーが美味い」


 本日のお昼ご飯、冷し胡麻豆乳担々麵、フレンチなクルーラーにポンデなリング。

 そこにアイスコーヒーも付けちゃったり。

 やっぱりね、俺はこの二つが最強だと思うわけ。

 いや、ゴールデンなチョコレートとか、オールドなファッションとかも好きだよ?

 でもやっぱりね、この二つが一番好きだなぁ、ぼかぁ。


「そういやパイとかもあるんだよな」


 なんて、ドーナッツも冷し胡麻豆乳担々麵も食べ終えて。

 ゆっくりとコーヒーを飲みながらメニューをスマホで見てたわけですよ裁判長。

 何故メニューを見ていたかと言えば、ここのドーナッツを持ち帰ってデザートにしちゃえと思ったから。

 でもね、そこで気が付いたんです。

 エビグラタンパイってメニューがあることに。

 これ、今日のメニュー的にオイスターソース炒めよりもメインとしてあってるんじゃね? となりましてね?

 ここで買っちゃうと、シャコナリケリが消化できないから自作するはするんだけどさ。

 多分これが天啓だったんだろうな。


「レシピも探せば出てくるし、ぶっちゃけほぼエビグラタンだし」


 ちなみに今日は大型ショッピングセンターに来ていたりする。

 ドーナッツショップも中に併設されてるわけね。


「パイシートだけがあるかどうか不安だな。特に使った記憶とか無いし」


 傍から見たら、一人でブツブツ呟く不審者にでも映ってたんだろうなぁ。

 よし、メニュー変更オリジナルチャート発動。

 今夜はマリネ、ビスク、シャコナリケリグラタンパイとバゲットにする。

 するったらする! というわけで買い物を済ませますわぞ~。



 ただいま、という事でね。

 ドーナッツ、一人五個計算で二十個も買って来ちゃった。

 ……俺の分は別にあるよ? でも、それでも三つとかだね。

 というわけでまずは買って来たドーナッツの紹介。

 エントリーナンバーワン! エンゼルなクリーム!!

 フワフワで柔らかいドーナツの中に、ホイップクリームがたっぷりと。

 このホイップクリームも軽いから、全然ぺろりとイケてしまう人気商品!

 エントリーナンバーツー!! ゴールデンなチョコレート!!

 あの粒々がさ! カリっとしてて、生地のチョコレートと最高にマッチしてさぁ!!

 俺も買った。だって大好きだもん。

 気を取り直してエントリーナンバースリー! カスタードなクリーム!!

 エンゼルクリームの中身がカスタードに代わった商品。

 美味いだろ!! ホイップで美味いんだから!!! カスタードでも!!

 見なくても分かる。マジャリスさんはこれを食べて飛び上がるね。

 で、残りは王道のポンデなリングとフレンチなクルーラーですわよ。

 こいつらは正直当たり前すぎて……。

 外れることないよ。俺が買ったら。

 ふんわりしっとりした生地と、コーティングされた砂糖の食感が最高に美味しいフレンチなクルーラー。

 そのモチモチの生地で今日も誰かを魅了しているであろうポンデなリング。

 こいつらは俺の中で不動のトップワンタイだから。


「で、続いては晩御飯の材料っと」


 レシピ調べながらだから結構かかったね。

 時間もお金も。

 まぁ、定期的に入ってくる姉貴預金……この呼び方あってるか?

 姉貴送金もあるし、何よりメイン材料というか、一番値段占めそうな材料は異世界組が持って来てくれるし。

 あの四人が来訪する前より、食費も生活費もかからなくなってるんだよなぁ。

 ありがてぇこってす。

 さて……一番時間がかかりそうなのは……。


「マリネは正直和えるだけだし、ビスクとパイは作った事無いから所要時間が分からん……」


 一応レシピにはビスクが半時間でパイが一時間ってなってるな。

 じゃあ、パイは焼くだけの所までしといちゃうか。

 で、ビスクをラベンドラさんに任せて、俺はマリネ作りに勤しむ、と。

 よし、じゃあいつぞや作ったエビダトオモワレルモノドリアでも思い出しつつ、パイの具を作っていくとしますか。

 まずは玉ねぎを薄切りに……。

 思ったんだけど、エビグラタンパイに玉ねぎ使うでしょ?

 マリネにも当然使うし、ビスクにも使うって書いてあるんだ。

 もしかして玉ねぎって……万能なのでは?

 和食にも無数に使うし、洋食でも使う。

 もしかして、一番料理に使用される野菜って……たまねぎ?

 ワンチャンあるな。

 ありがとう玉ねぎ。某国民的アニメに出てくる玉ねぎシルエットの彼はあんまり好きじゃないけど。


「玉ねぎ炒めて、シャコナリケリ入れたら白ワイン入れて蒸すっと」


 シャコナリケリは普通のエビの1.5倍くらいの大きさにカット済み。

 こういう時くらいね、でっかいエビにしたいじゃん?

 シャコナリケリに火が通ったら、グラタンの元を水と一緒に入れまして。

 牛乳を注ぎ、水分がある程度飛ぶまで煮詰めていく。

 カニミタイナカタマリクリームコロッケの時みたく、クリームよりもコシャコナリケリの量の方を多くしたい。

 というわけでそうなるまで煮詰めたら完成。

 あとはパイシートでチーズと一緒に包んで、オーブンで焼くだけと。

 今日のご飯は俺もかなり楽しみだな。早く四人が来ませんかしら。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る