第309話 ビギニング・オブ・ザ・コスモス
ふぅ、ただいま。
という事でね。買って参りましたよフルーツの数々。
まぁ、ほとんどが缶詰のシロップ漬けのやつなんだけども。
で、もちろん冷やし中華の材料やら麺やらも一緒に買って来た。
普段なら冷やし中華セットというか、タレとかも全部入ってて、麺を茹でで盛り付けるだけのやつで済ませるんだけどね。
あの四人だし、めっちゃ食うじゃん?
だから、ラーメンの時と同様、大容量の麺を複数買いまして。
タレとかは俺が自作する。別に難しいものでも無いし。
「さぁて、じゃあ早速取り掛かりますか」
会社は休みだし?
じっくりと作っていきますわよ?
時間がかかる料理から手を付ける、これ鉄則ね。
というわけでフルーツ白玉クリームあんみつから。
「豆腐の水を切りまして~」
豆腐をしっかり水切りし、ボウルに入れて。
白玉粉の分量を量り、同じボウルへ。
これを混ぜて耳たぶ位の固さに調整したら、タネの完成。
この豆腐を使って作る白玉のやり方さ、簡単なのに出来上がる白玉は滅茶苦茶美味しいからマジでおススメ。
「……もうちょい固めか?」
自分の耳たぶと触り比べ、白玉粉を足して微調整。
……完成。
さっさと茹でていきますわぞ~。
いい感じの大きさに千切って成形し、中央を轟盲牌して窪ませて。
これで茹で上がりはいい感じになる……はず。
「続いてフルーツ達」
で、茹でてる間にフルーツの時間。
缶詰を開けて中身を取り出し、食べやすい大きさにそれぞれカット。
黄桃、パイナップルはカットして、蜜柑は……そのままでいいよね?
缶詰たちはそれでいいとして、お次はキウイ!!
鳥じゃないよ、フルーツだよ。
こいつはまず輪切り。そしてスプーンで丁寧にくり抜いてっと。
こいつも黄桃やパイナップルに合わせた形にカットして。
準備完了。
「そろそろ?」
浮いて来て少し経った豆腐白玉を一つ引き上げ、水に晒して粗熱を取り。
味見。
「……うん、おっけ」
ふわっとした食感ともちっとした噛み心地。
程よい弾力の、とても美味しい白玉団子。
上手に出来ました~。
さて、じゃあ盛り付けに……入る前に、寒天を切るのを忘れてませんか?
本日の寒天、オーソドックスな透明! 色付きの緑!! そして彩の為の赤!!
これら三色の寒天を、フルーツと同じ大きさを目指してカットしますと。
ざっくりでいいの、大きさなんて。
「よし、じゃあ後は盛り付けっと」
お皿……というか丼だな、うん。
この丼に、まずは透明な寒天を敷き詰めまして。
その上から各フルーツ、カラー寒天を乗せて色の見栄えがいいように意識しまして。
最後に白玉をゴロッとね。
う~む……作り過ぎたか?
結構なボリュームになっちゃったな。
……あ、ちなみに俺のは普通のお皿でやってる。
煮物とか入れるような奴ね。
丼でフルーツ白玉クリームあんみつとか食い切らんし。
「え~っと、あんこあんこ」
で、忘れてませんよあんこの登場。
当たり前に粒あんを買って来たんだけど、あんみつと言えば粒あんよね?
いや、別に全然こしあんでも俺は構わないけどさ。
あんみつと聞いて思い浮かぶのは粒あんじゃない?
たっぷり業務用の一キロサイズ。
余ったらラベンドラさんに押し付けるんだ。
あんこトーストとか出来るし、多分マジャリスさんが喜んで持って行くだろうしね。
「中央にアイスを乗せるから……」
最後の仕上がりを想像しつつ、それぞれにあんこを盛りつけまして。
さくらんぼのシロップ漬けを添えて完成――ではないけど。
あとは食べる時にバニラアイスを乗せて完成だね。
というわけでデザートタイムまでこやつらには冷蔵庫にて眠っておいてもらう。
悪く思うなよ。
「さて……この大量のシロップは何に使おうか」
ここで、一旦果物たちが入っていた缶詰の中を確認してみますとですね。
はい、シロップが残ってるわけなんですけれど……。
これどう使う? なんかそのまま捨てるの勿体なく感じちゃわない?
これで飴とか作れるのかな……。
「とりあえずソーダとして飲むけどさ」
グラスに氷をたっぷりと入れ、そこに缶詰内のシロップを少し。
そこに炭酸水を静かに注いで、なるべくゆっくりしっかりかき混ぜたらフルーツサイダーの完成。
たまに作ると美味いんだよこれ。
逆に言うと、たまに飲む程度でいいんだけどさ。
ん~……よし。
このフルーツサイダーをみんなに飲んでもらお。
濃さとかも調整できるし、きっと飲んでくれるはず。
最悪マジャリスさんに押し付けよ。
ホットケーキとかに混ぜて貰えば消化出来るでしょ多分。
「思ったより量が出るし、何より甘いんだよなぁ」
シロップだからしょうがないけどね。
さてさて、続いては冷やし中華の準備……の前に俺の昼飯。
朝からユッケ丼とか言う贅沢をかましたけど、今日のお昼もまた贅沢ですわよ。
トキシラズとコシャコナリケリの海鮮丼!!
なんか丼ばっかりな気もするけど、海鮮としてあるなら食うよね。
寿司とか握れんし。
……情報だけ見せたらラベンドラさんとか寿司握ってくれんやろか?
似合いそうなんだよな、ラベンドラさんに板前さんの服。
包丁とかの手入れとかも似合いそうだし。
なんて妄想しつつ、トキシラズとコシャコナリケリの海鮮丼、いただきます。
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