第143話 たこ焼きおかわりちょい足しを添えて
「コツさえ掴めば楽しいですわね!」
「ほっほっほ! 自分で作って食うのがこんなにいいもんだとは知らんかったぞい!!」
「こんな俺たちでも簡単に作れる料理なら向こうでも流行りそうなものだが」
「火加減などに工夫が必要だろうが、向こうでも問題なく作れるだろう」
ラベンドラさんの提案により、おかわり分は自分で焼くことにした結果。
なんと全員が楽しくたこ焼きを焼いておられます。
こう、笑顔で作って食べてるのは見てて眼福ですよ。
「よし、焼けた」
「というわけで皆さん……これらはどうです?」
というわけで先に一人前食べてお腹一杯になった僕、四人が焼いているのを尻目に冷蔵庫やらを漁りまして。
タコ焼きに合いそうなものを調達してきたってわけ。
それじゃあ早速ご紹介、エントリーナンバー1! タルタルソース!!
マヨネーズが合う食べ物でこいつが合わねぇわけねぇだろ!!
以上! 終わり! 閉廷!!
エントリーナンバー2! 大根おろし!!
冷蔵庫にチューブ状の既におろされてるやつの残りを発見したからな。
これとめんつゆで『だしタコ』にして食べる! ソースとはまた違った美味しさでさらにはさっぱり食べられるって寸法よ。
……あー、明石焼きって選択肢もあったな。今度作るために後でレシピ確認しとこ。
そしてエントリーナンバー3!
チーズ!! 美味ぁぁい説明不要!!
ちなみに俺はたこ焼きの中にはチーズは入れない派。
キムチやソーセージなんかは言語道断。
一刀両断からの一撃必殺を叩き込むのでそのつもりで。
最後にエントリーナンバー4!
明太子!!
大根おろしみたくチューブに入ってるやつ!!
福岡に行った友人からのお土産だったんだけどすっかり忘れてた。
賞味期限がもうすぐそこまで近づいてたからな、危ない危ない。
「タルタルとチーズ、大根おろしは分かるが……」
「そのピンク色のものはなんですの?」
既に見慣れたエントリーナンバー3まではすんなりと受け入れられたけど、初見の明太子は説明求められちゃった。
「えぇと、魚卵の漬物? 違うな、でもなんかそんな感じの食べ物です」
自分でも改めて明太子とは? と考えると曖昧にしか知らんな。
当然四人の頭に疑問符が浮かんでらっしゃる。
というわけで毒見役のラベンドラさん、どーぞ。
この美味さは食べんと分からん分からん。
「む……。――ふむ、塩辛さはあるがその後からねっとりとしたうま味と繊細な味わいが広がる。……米に合いそうだ」
「ご飯の共として人気ですね。あとはパスタとかにも使われてます」
そう思えば和洋に幅が効くのか、明太子。
ちょっと見直したかも。
「というわけで、たこ焼きにちょい足しトッピング俺チョイスです。好きなのをどうぞ」
というと、一斉にみんなが群がり。
タルタルソースを奪取したのはガブロさん。
うん、あんたはジャンキーな食い物食ってる姿がよく似合うよ。
大根おろしはリリウムさん。鰹節たっぷりに大根おろしを乗せてめんつゆに嬉しそうに浸してるよ。
チーズはマジャリスさん、ガブロさんとのタルタル競争に負けてチーズに手を伸ばしてた。
ちなみにチーズはピザ用のやつね。焼きたての上に乗せて溶けるまで待ってる姿がちょっとおもろい。
で、意外にもというか、ラベンドラさんが真っ先に明太子に行ったのはびっくりした。
誰も試さないかと思ったからね。
「ラベンドラはそれか……。美味かったのか?」
「美味かったがそれだけじゃない。このたこ焼きと組み合わせてどうなるのか興味がわいた」
「なるほどな……まだ溶けないか」
「大根おろしのさっぱりとした風味とこのタレの染み込むような美味しさがたまりませんわー!!」
「やはりタルタルじゃ! タルタルは全てを解決する!!」
先に食べてる二人を無視し、ラベンドラさんは明太子チューブとマヨネーズをたこ焼きにかけ、その上からソース。
鰹節をトッピング。
青のりは今回かけないみたいよ?
「――ふむ。マヨネーズにも負けないうま味とたこ焼きの食感が合うな。『――』の身の美味さと合わさりうま味の三重奏とでも言うか」
「べた褒めだな」
「実際に美味いからな」
とのことで、明太マヨたこ焼きはラベンドラさん的にヒットしたみたい。
で、ようやくチーズが溶けたマジャリスさんのターン。
「溶けたチーズ……ソースとたこ焼きに塩味とまろやかさが備わり最強に見える」
ん? 怪しいか?
これは翻訳魔法のバグと判断するのは早計か? でも感想としては若干変だし……。
「あまりの美味さに有頂天」
翻訳魔法さ~ん!!
仕事してくださ~~い!!
これは絶対にバグでしょ。お前のシマじゃノーカンかもしれんがこっちの世界じゃノーカンにならんからな?
せめて……せめて、イケメンから発される言葉はまともに意味の通じる言葉であってほしかった……。
「タルタルいず暴力!! タルタルいず破壊力!!」
ガブロさんはまぁ……どうでもいい。
あれは別に翻訳間違ってないだろうし。
「さっぱりとした大根おろしはやはりとてもすごく凄いですわ! 美味しいですわ! パクパクですわ!!」
リリウムさんも……いや、あれもバグか?
う~む……って、生地が気が付いたらかなり減ってるんだけど!?
百個分の生地なのに減ってるのナンデ!? 忍者ナンデ!?
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