AOI 第28話
玄関前で、洋服にかかっていた雪を払って、中に入った。入った瞬間、
「あったけー。」
と、声に出てしまったほど、あったかった。それほど、今日は、冷え込んでいる。弟が、
「雪、結構降ってるの?」
と、聞いてきたので、
「明日の朝には少し雪が積もっていそうだよ。」
と、弟に言った。弟が、
「ほー。」
と、玄関のドアを開けて、外の雪の様子を眺めた。私は、コート着たまま、洗面所に直行。手洗いうがいと。水も、冷たい。あわててお湯へシフト。居間へ入って、いつものように、コートを壁にかけた。そして、速攻でこたつに入った。
「はーっ。」
と、首までこたつに入って大の字になりながら、のびをした。弟が、チャンネルを変えながら、
「今日、塾どうだった?」
と、聞いてきた。私は、
「四中のお友達が1人できたよ。」
と、話をした。
「おーっ、良かったね。」
と、返してくれて、私はこたつから、ガバッと起きて、弟に、
「聞いて聞いて、…。」
と、小学生の低学年の子がいた事からはじまり、四中のお友達のこととか、弟は、私の話を全部、へーとか、えーっとか言いながら聞いてくれた。はじめてだったからか、興奮して滝のように話をし続けてしまった。弟の相槌の間隔があいてきたので、つまらないかなぁと思って塾の話はしりつぼみのように終わった。なんとなく、台所に立って、冷蔵庫や炊飯器を開けた。お夕飯のご飯はあるな。
とりあえず、味噌汁作るか。雪平鍋に水を入れてお湯を沸かしはじめる。今日は、油揚げと大根にしようかな。短冊切りにした大根と横に包丁を入れて同じく短冊切りにした油揚げを入れた。大根がやわらかくなるまで、部屋干しの洗濯物をはずして、山盛りにして、
弟と一緒に畳んだ。2人でやると早い。タオルは、お風呂場、小さいかご3つ用意して、母、私、弟の畳んだ洗濯物を入れる。後で、自分の部屋に行く時にかごごと持っていって、タンスにしまう。その間に、なべが、ゴトゴト音をたてはじめたので、火を止めて出汁の素と味噌を入れる。小皿に少し取り分けて、味見…よし…、弟にも、
「味見してみて。」
と、小皿を渡す。弟が、
「うん。いいよ。」
と、言ってくれたので、また、こたつに入って大の字になった。弟が、今週の土曜日の卒業式後に友達と集まってご飯を食べに行く事になって、お店をどこにするか、なかなか決まらないと話していた。雪が降ったら駅前で、降らなかったら、自転車でモールまで集団で行くらしい。楽しそう。よかったとホッとした。玄関が開く音がして、居間のドアが開いた。母がおばぁちゃんを連れて帰ってきた。
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AOI 三角屋カヨ @misunoyakayo
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