AOI 第24話
1時間目は、英語の授業。塾の教科書、問題集、単語帳の使い方の説明があった。明日から、授業のはじめに、単語テストをするらしい。単語帳のページを指定されて、そこから20問出されるみたい。毎日。高校受験が怖くなった。これが現実か。夜寝て朝起きたら、夢だった、にならないかなと思った。間違えたら、テスト用紙の裏に10回づつ書いてその日のうちに書いて提出だって。授業終わったらすぐ帰れないじゃん。恐ろしくなった。これが、塾か。宿題は毎日出すそうです。これが、当たり前なのか。宿題、帰ってからやる方がいいのか、午前中も時間があるからその時にやるかな、嫌、午前中寝ていたいなぁとか考えてしまった。今は、授業授業。集中しなきゃ。新しい、塾用ノートを開げた。
終わりを知らせる、チャイムが鳴った。はじめてだったからか、あっという間に、60分がたっていた。緊張ととりあえず1教科無事にに終えた、そして、静けさの中での授業に、すごく集中していまみたいで、そして、すごく疲れた。体もかたまっていたみたいで、両手の指と指を交互に重ねて手のひらを付け合って前に伸ばした。うーん。伸び伸び。次の授業まで20分休憩が入る。鞄から、水筒を取り出して飲んだ。ゴクゴク…わっ、恥ずかしい。自分でも、そんなに喉が渇いているとは思っていなくて。飲み込む音が聞こえたのではと。そしたら、隣の女の子が、私に、
「いい匂い。」
と、私に声をかけてくれた。すぐその言葉が嬉しすぎてしまい、
「あっありがとう。」
と、言ってしまった。女の子は続けて、
「私も何か買ってこよう。」
と、席を立って、教室を出て行った。私は、隣にいないのに少しほっとして、また、水筒の甘い紅茶を飲んだ。うーん。美味しい。次の授業も乗り越えられそう。簡単な私。休み時間の教室は、同中が集まっていたり、あちこちで、はじめましてが聞こえてきたり、前の席は男子3人で、右はじだけ1人で
隣2人はなんか笑って話してる。それはなんか嫌だなと後から眺めていた。私の机のはじの男の子が後の席に振り向いて賑やかに話している。人ウォッチングしていて、なんだか自分が嫌になった。同中を探すのもなんか疲れた。携帯の時計を見ると、休み時間は後10分残っている。女の子が帰ってきた。
「レモンティーにしたよ。」
と、私に声をかけてくれた。私はまた嬉しくなって、
「あっそれ、美味しいよね。私も大好き。」
言ってから、あっ、大好きは嘘っぽかったかな。好きでよかったよと、思った。女の子は、ふたを開けて、レモンティーを飲んだ。あったかい教室で、座っていた冷たいパイプ椅子も、少しずつ暖かくなっていった感じがした。
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