第21話

 栄養補給ができたところで、母が、

 「ネットの方がポイント使えるから、ネットで注文するね。」

 と、弟に言った。

 「うん。」

 「明日、昼間届くよ。」

 「はーい。」

 弟は、すごく喜んでいた。

 「あと、何か忘れている物あるかなー。」

 と、母が中学校からの手紙を持ってきていて、弟とチェックしていた。弟も友達と、筆箱とか買いに行くと話していた。私も一緒にプリントを見て、あっ私も塾用ノート買わなきゃと、文具売り場へと提案をした。弟が筆箱の下見をしていて、私に、

 「みんなどんなの使っているのかな?」

 と、聞いてきたので、

 「この辺とかこの辺かな。」

 と、指差して、教えると、

 「ほーっ。大きいね。なんで?」

 と、立体の靴入れを小さくした形だったから、びっくりしたみたい。

 「そうそう、定規とかコンパスとかハサミ、のりとか全部入るのが忘れ物しないからなのかな。」

 「なるほど。」

 弟は、小学校では、ハサミ、のりは、お道具箱に入れているから、そこまで大きいのはいらないみたい。キャラクターとかスポーツ物らしい。そっかそっか。私は、ノーブランドのノートを買った。そして、3人で1階の食品店売り場へと降りて行った。

 夜、3人でこたつに入って、弟はゴロゴロ

私は、塾からの調査書を書いていた。

 「私の長所はなーにー?」

 と、弟の足を蹴りながら聞いた。弟が、 

 「いってーなぁ、聞こえてるよ。はいはい。蹴りが強いところ。」

 と、起き上がりながら言ってきたので、

私は、

 「ホッホッホー。」

 と、おちゃらけてみた。弟は、少しムッとしている。蹴ったの悪かったかな。強かったかな。私は、弟に、

 「部活何にはいるのー。」

 と、書きながら聞いた。弟の顔の不機嫌さが少し軽減したように見える。

 「そうなんだよなぁ、運動部に入りたいなって、みんなで話しているよ。体験っていうのを何回かして決めようと話してる。おすすめある?」

 「おすすめかぁ。今は、どこも人数がぴったりで。試合の時期がかぶらなければ、掛け持ちしている子、何人かいるよ。」

 「かけもち?何それ。」

 と、弟が、こたつに前のめりになって聞いてきた。私は、

 「冬だけスキー部、夏だけ水泳部とか。試合がかぶらなくて、活動が少ない合唱部とかね。私は、一つで精一杯。」

 と、話した。弟は、

 「へーっ。ふーん。なんか全然わかんない。」

 「そうそう。最初は、そうだよ。」

 と、弟に言った。言っていて、ふと、我に返った。まてよ、私、3年生、弟、1年生…やっやばいのでは…先輩の私を、弟はまだ見たことがない…はっ恥ずかしいかも。かっこいい先輩に見えるように、頑張らなきゃだ。って、今さら、遅いか…。3年生のワクワクがいっきに遠くなってしまった。


 

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