第18話

 土曜日のお昼近くに、母のノックと声で起こされた。部活のお休みをいい事に、だらけた生活を送ってしまっているツケがたまってしまっている。やばい。

 「はーい。」

 お布団の中からの寝起きの一声。

 「お昼だよー。ご飯だよー。」

 隣の部屋にも同じ事してた。弟、お前もかよ。母が、階段を降りて行った。もう少し、お布団にいたいけど、実際は、お腹が空いてそう、あーそうだ、塾の申し込みに行くって約束かぁ。布団の上に置いてあるカーディガンを片方の腕だけだして手探りで探した。腕出しただけで、寒い。布団の中で羽織ってから、体を起こした。今度は、足が寒い。寒いけど、居間に行ったら、こたつがあるから、裸足のまま、行っちゃえとドアをあけて廊下に出た。部屋よりも寒い。階段をかけ降りていく。足先が冷たくなっていくのがわかる。その音を聞いてか、弟もドアをあけて、同じく裸足で階段を降りてきた。

 「おはよー。」

 「おはよー。」

 居間は、別世界だぁ。あったけー。私と弟は、こたつへ直行。TVのリモコン争奪戦に負けた私は、弟が回す局をボーっと見ていた。ただ、弟の寝癖がひどくて、心の中でクスッとしたけど、心配になった。母が、

 「はい、朝ごはん。お昼ごはん?」

 と、疑問符で言いながら持ってきてくれた。

 「ありがとうー。」

 と、弟と2人で寝起きの声で言った。母も座って一緒に、

 「いただきまーす。」

あれ、この匂いは、あずきだ。今頃だけど、ストーブの鍋の中からコトコト音が聞こえてくる。

 「お母さん、ストーブの鍋は?」

 「おしるこだよ。」

 やっぱり。

 「やったー。」

 と、私。そこへ弟が、母をみながら。

 「お餅ほしい。」

 と、言ってきた。母が、

 「冷凍にお餅があるから、焼こうか。」

 おばあちゃんが、お餅を餅つき機で作って、時々持ってきてくれるので、それを切って、ひとつづつラップに包んで冷凍しているから、食べたい時にすぐに焼いて食べることができる。

 「やったー。」

 食後のデザートは、おしるこに決まった。弟がすぐに立って冷凍庫を開けて、

 「お餅いるひとー。」

 と、聞いてくれた。私は、

 「いっこ〜。」

 「ひとつ。」

 続けて母も。

 「はいよー。」

 弟が、冷凍庫から出したお餅をオープントースターに並べて焼いてくれる。おしるこ大好きなんだよなぁ。早く食べたいのかな。少し時間がかかるから、また、こたつに入って途中にしていたご飯を食べはじめた。母が、

 「食べたら、ゆっくり支度して塾行ってみようか?」

 と、話かけてくれたので、

 「うん。」

 と、食べながらうなずいた。母が、弟の方をむいて、

 「お姉ちゃんが塾行くから、乗ってく?

帰りにワイシャツ買いに行かなきゃだし。」

 「あーすぐ終わる?」

 「20分くらいかな。」

 「うーん、わかった。」

 弟は、4月から中学1年生になるから、必要な物を行けるうちに買いにいかないとだからか。私は、弟に、

 「悪い。」

 と、言ったら。弟は、

 「はいはい。」

 と、いつもの事のように言った。

 



 



 

 

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