第14話

 1時間目の授業が終わると、ひさちゃんが、教室にきた。あー塾の話かぁ、ちえちゃんに聞いたなとドキドキ。ひさちゃんは、私の机の横に立った。

 「中央学院行くの?」

開口1番、それを言うの?と、周りもいるのに…。

 「うん。春季講習の体験をね。」

 「なんで。」

、ひさちゃん圧すごいし、返し早いんだから。

 「週末に体験に行くって話してたでしょう。」

 「うん。」

 「お母さんのすすめで中央学院に行ってきたのよ。」

 「うん。うん。」

 「私が体験している間、室長と話していて、ますます、お母さん気に入っちゃって。

とりあえず遠いし、春季講習体験通ってみようとなってね。」

 「なるほどねぇ。わかった。とりあえず、塾の先生に話しとくね。あの子どーしてる?って聞かれているからさ。」

 「そうだったのかー。ごめん。」

 「いいよ。いいよ。中央学院通っている子っていたかなぁ。聞いてみよう。」

 と言いながら、ひさちゃんは、急いで背中をむけて教室を出て行った。1時間目後の休み時間は短いもんね。ひさちゃんにちゃんと伝わったかな。お母さんお母さんだったけれど、お母さんのせいにしてごめんなさい、と、心の中で目をつむり謝った。塾に通う宣言したけれど、時間がたつと、いろいろと考えてしまうなぁ。やっぱり、知り合いが多いほが、楽しいよなぁ。通うの遠いよなぁ。ちゃんと勉強についていけるかなぁ。まぁ、うん。とりあえず、春季講習行ってみよう。それからまた、考え直しても大丈夫だよね。結局、お昼までは授業の記憶がないくらい、塾の事が頭に浮かんでは消え、浮かんでは消えしていた。昼休み、みんなが教室の窓を開けはじめて、校庭を見下ろしていた。なんか、騒がしい。私もひょこっと後ろから覗き見。3年生が登校日で、給食を食べずに下校らしい。同じクラスの丸坊主の男子が、校庭にむかって叫んでいる。部活の先輩がいたらしく、手を振っている。先輩達もこっちを向いて、その子に、何か叫んでいるけど、私には聞こえない。先輩達は、1週間もたたずに卒業式だ。5、6人いる先輩達は、校庭いっぱいの雪で、楽しそうに、大きな大きな雪だるまを作っていた。制服のズボンや外履きは、もう、ぐしょぐしょに濡れているだろう。大きな笑い声で、雪片付けをしていない校庭で足をとられながら、雪玉を転がしている。他のクラスも窓を開けて、先輩に声をかけている。雪だるまの大きな土台はできたが、なかなか、上にのせる頭が乗らない。のせようとするたびに、校舎からも笑い声が。天気がいいけど風は冷たい、空は青い、白い雪はキラキラ、見続けていると紫外線?でか、眩しすぎて細目でみてしまう目で、完成するであろう雪だるまを見届けていた。

 

  

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