第10話
昨日とは、うってかわって、まぶしい朝だ。積もった雪に太陽の光が反射して、ベッド脇のカーテン越しにもわかるほどだった。上半身だけ起こして、家の前の道路はと、カーテンを少し開けて外をながめた。除雪車が通った雪の山ができている。おっとこれは、お母さんの車出れなそうだな…時間は6時半過ぎ。よし、やるか。スキー用の靴下履いて裏起毛の上下を着た。弟の部屋をのっくして、
「おはよー。雪かきするぞー。」
私の声で起きたな、
「…はぁ、うーん、…わかった。」
先に階段降りて、もう起きていたお母さんに、
「おはよー。雪片付けしてくるわ。」
居間の壁のコートをきて、長靴履いて、手袋はめて、いざ。
「ありがとう。たすかる。」
と、言ってくれた。凍っている玄関を開けた。一夜にして、30cmは積もっていた。これはもう、地道に作業するしかない。スノーダンプにスコップで雪を乗せて、駐車場の反対側に運ぶ。そうして、玄関から道路まで道を作り、道路の除雪された雪山を崩して運んだら、お母さんの車は出れる。よし、はじめ。スコップで雪を縦と横に上から下にさす、そして、地面と雪の間に手前から奥に動かして、一気にすくいあげる。雪の四角いレンガができる。そして、スノーダンプが山になったら、捨てにいく。玄関が開く。弟がスウェット上下の長靴で出てきた。私が、格好に驚いて、
「寒く無いの?」
と、スコップを動かしながら聞いた。背伸びとあくびをしながら、
「寒い。」
と、スノーダンプの雪を運んで行った。2人でやると早い。弟が少しだけど、頼もしく感じた。右隣も左隣も前のお家も、みんな出てきていて、挨拶しながら、雪片付けをしている。朝の支度の忙しい時間、黙々と片付ける。弟が、
「これで大丈夫かな。」
と、言ってきたので、見渡して、
「いいね。よし、片付けて入ろう。」
最後に、母の車に積もった雪を落として、たててあるワイパーを戻した。玄関を入ると、家のなんと暖かいことか。汗もかいているので、先に弟にシャワーに入ってもらった。
「雪かき、とりあえず終わったよー。」
と、朝食の用意をしている母に言った。
「ありがとうー。」
母も、フル回転している。
「部屋あったかーい。」
と、私が背伸びをしながら言った。母が、
「外、寒いんだ。」
「うん。日差しはあるけどね。道路、除雪されているから、綺麗だよ。」
「よかった。」
母は、まな板に行ったりガス台に行ったり、運んでいいものを聞いて、こたつに置いた。
弟がシャワーから戻ってきた。
「あったけー。」
「私も、入ってくるね。」
弟は、こたつに入りながら、ドライヤーをつけ髪を乾かしはじめた。TVの音とドライヤーと台所の換気扇の音と騒がしくなった。私は、8時には家を出なきゃだから、バタバタだ。弟は、8時10分頃家を出る。母は、8時半頃に家をでる。
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