第9話

 家に着くと、やっぱり、駐車場に雪が積もっていた。私と弟で、車のスペース分だけ、雪かきをした。ふわふわのまだ固まっていなかったので、少し楽かも。スコップとスノーダンプで片付けた。汗だくだ。母が駐車場に入れるのを玄関に立って2人でながめていた。まだまだ降り続きそうだなと灰色の空を見上げて思った。母が、家の鍵をあけ、入っていった。私と弟で手分けをして、まだ車の中にある残りの買い物袋を運んだ。玄関先で雪をはらって、家に入った。母は、お風呂も入れはじめてくれていた。居間の壁の洋服かけに着ていたコートをかけ、下に新聞紙を敷いて、濡れた靴に、丸めた新聞紙を入れて置いた。弟の頭が、汗か雪かわからないくらい濡れていたので、先にお風呂に入ってもらった。弟が、

 「まだ、お湯、たまっていないけど、半分は入っているから、入っちゃうよー。」

と、弟が廊下で言った。母と私で、

 「はーい。」

と、声をかけた。食材を冷蔵庫に片付けた。母が、紅茶を入れてくれた。お腹があったまるー。一口飲んで着替えを取りに部屋に走って行った。結局、寒いので、ストーブの部屋に逆戻り。ジーンズの裾に雪が固まってついているので、とりあえず持ってきたパジャマに履き替える。ストーブが、居間を少しずつ暖かくしていってくれている。母は、本当にコーヒーが好きなんだな、また、飲んでいる。こたつの上にミスドが置いてある。紅茶をもちながら、暖かくなったこたつに、足を入れた。

 「もう少し、遅かったら、雪やばかったね。」

と、振り向いて母に話かけた。

 「本当だね。いい時間に帰ってこれた。」

 「ミスド食べていい?」

 「食べよ。食べよ。何食べようかな。」

と、母もコーヒーを持ちながら、こたつに入ってきた。母と、弟がポンデリングが大好きなので残しておこうとか、1番目2番目はどれを食べるかとか、明日のおやつにできるかなとか、箱の中を眺めながらあーだこーだと話ししていた。私は、エンゼルクリーム、母は、ダブルチョコレートに決めた。

 「うーん。おいしい。」

 「美味しいね。」

TVをつけて、少し見ては次々回していった。 

 「何見る?」

隣の母に聞いた。母が、

 「なんでもいいよ。」

と言うので、録画の歌番組にした。と言っても聞きたいところだけ見てあとは飛ばしてと、母が、

 「この曲、この人達だったんだ。」

と、言ってきたので、そうそうと相槌をうった。

 「あったけー。」

と、言いながら弟が入ってきた。ミスドの箱をのぞきながら、

 「はい。俺これー。」

と、真っ直ぐにポンデリングをつかんで、すぐに食べた。母と私で顔を見合わせてクスッとした。

 晩御飯を食べ終えた。日曜日が終わってしまう。母が何も聞いてこないのをいい事に、何事もなかったように、お夕飯のお鍋を食べて、TV見て笑って、眠くなって母に促されて私と弟は自分の部屋に行った。お布団は、電気シーツのおかげで暖かい。明日は、月曜日まだ、外は雪が降っている。雪が降ると外は一段と静かになる。学校に行く前に雪かきするようだからと、いつもより少し早い時間にアラームをかけて目を閉じた。

 

 


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