第8話
振り向くと、フードコートのお店を全部ぐるっと見渡せた。3人で見渡しながら、
「何食べようか?」
と、母が言った。
「決まってる。」
と、弟が言った。早っ。あっ。
「…どうせ、ラーメン半チャーハン餃子セットでしょ。」
「そうそう!。」
弟は、母からお金をもらってすぐ席を立って、注文しに行った。私は、母を見て
「どうする?」
母は、決めかねていた。お店を眺めながら、
「あったかいうどんと天ぷらもいいし、トマトラーメンのチーズ入りもいいし、ちゃんぽんもすてがたいしコーヒー飲みたい、さちは?」
「マグロ丼。」
「注文しておいで。」
母からお金をもらって注文しに席を立った。注文をし終わった弟とすれ違った。
「お母さん、席いるから。」
と、伝えた。
「はいよー。あそことあそこと、すげー並んでるよ。」
と、教えてくれた。注文を終えて、席に戻った。母も、すでに注文を終えていた。3人とも、呼び出しブザー待ち。結局母は、コーヒーを飲みたくて、ミスドでコーヒーと坦々麺を頼んでいた。コーヒーのおかわりが嬉しいみたい。坦々麺ができあがるまで、コーヒーを飲んでいる。ドーナツ10個1200円で販売しているらしく、帰りに選んで帰ろうと母が言って、私と弟で喜んでいた。最近ポンデリングに新商品ができていたので、絶対選ぼうと心に誓った。弟のブザーかなって、
「行ってくる。」
と、席を立った。混んでいるから、少し待つかもねと母と話をしていたら、母のブザーが鳴り出した。母は、コーヒーカップを持ちながらとりにいった。私は、まだ。弟が帰ってきた。トレーを見ると、炭水化物炭水化物で、さすが育ち盛りで、燃費の良い体がうらやましい。
「先に、いただきまーす。」
と、勢いよくラーメンをおいしそうにすすった。本当にお腹がすいてたんだな。
「どうぞ。おいしそうーだね。」
と、私…あとでスープもらおう。私のブザーがやっとなった。
外が景色が見えないほどの吹雪になっていた。寒そう。中はこんなに暖かいのになと思った。お昼を食べて、外の景色に驚いた母は、ドーナツを急いで注文して、食品売り場に直行した。なかなか来ないモールなので、普段と違う広い売り場は私でもテンションがあがる。ヨーグルトの品数も多いこと。帰りが心配なので急ごうとはなっていたけど、3人でキョロキョロしてしまい、あーだこーだと言いながら、だいぶ時間をかけた買い物になってしまった。けど、楽しかった。上着を羽織ってフードをかぶり、いざ、外へ。さっ寒い。
びしゃびしゃの雪を滑らないように歩いて車へ。荷物を先に入れて、服をはたいて、お尻を先に座席にのせて、最後に靴を足で拍手をするように両足をぶつけて雪を落として、乗り込んだ。3人で、はぁーと声が出た。中は、冷え切っていた。母は、すぐにエンジンをかけて暖房の温度をあげた。フロントガラスに積もった雪をワイパーではらった。固まっていないので、そのままはらえて、
「間に合ったー。」
と、言った。そして、私と弟を振り返って、
「また、洋服とか見にこようね。」
と、言った。やった〜と、心の中で右腕をあげていた。2人で、元気よく
「うん。」
と、言った。母は、にこにこしていた。
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