第4話
日曜日、起きると部屋が薄暗くて寒い。そういえば、今日は、午後から雪の予報だったな。頭の左横の携帯を開くと10時20分。よく寝たなーと、何時間寝たかなと頭の中で指を折り数えなら、家族がいる居間に階段を降りていった。ストーブが、ついている匂いがする。ドアのぶを手でつかもうとすると、中から笑い声が聞こえた。何か面白いテレビでも見ているのかな?この部屋はストーブで暖かいはずと、私は、パジャマのまま、
「おはようー。」
と、言いながらドアを開けた。母と弟が、こたつに入って、テレビを見て笑っている。部屋を入ってくる私を振り向いて、
「おはよう。」
「おはよー。お姉ちゃん、早くこれ見なよ。おもしろいよ。」
と、テーブルに朝ごはんの食べ終わった食器とみかんの皮と湯呑みが置いてあった。弟が、みかんをもう一つ手にとって私に見せながら、
「今回、みかん当たり、おいしいよ。」
「まじ?やったー。」
私も、こたつに入りながら、みかんを一つ手に取った。こたつ、あったかいな。台所とこたつの間にストーブがあって、鍋で豆を茹でていた。ひたし豆をつくっているらしい。あれ?廊下の匂いはひたし豆の匂いかも。ストーブだと思ってた。コトコトコトコト豆が沸騰しているお湯の中でぶつかり合いながら泳いでいる音がする。母が、台所に立って、お味噌汁を温め直してくれた。私は、手伝いもせず、起きない頭のせいにして、ボーっとテレビを見て弟と笑った。時々、母が私達の笑い声に、
「なになに?何があったの?」
と、聞きにくる。でも、その後すぐ面白いが続くので、テレビに顔をむけながら、この芸人がねと教える。この面白さが伝わればいいのだけど、話をしている途中でなんか萎えてしまう。でも、最後まで伝えようとはする。朝食を食べ終えて、また一つみかんを取って皮を剥いた。
「みかん、甘くておいしい。」
と、言った。母が、
「おばぁちゃん家からの頂き物だよー。」
「おばぁちゃん家か。」
早く塾を決めなきゃなのだけれども、だらだらとそのまま、こたつに横になった。あったか〜い。食べてから横になると牛になるって言うけれど今日も勘弁して〜。母が、私と弟に紅茶をいれてくれた。やったぁ。私は、すぐに起きた。弟が、中央学院に通っている子がクラスにいることを教えてくれた。小学6年生なのに、もう通っているんだという事実に驚いた。4月から中学1年生だけど、私は中学3年生になるのだけど、まだ、これからなんですけどー。弟は、もはや同級生だけど別ものととらえているようだ。君、君、君もあと少しで、私のようになるのだよ。こいつは、どうなるのかなぁと自分をほっぽり出して思った。弟が、
「通うの?」
と、聞いてきた。だよねー。こっちは寝癖だらけでお腹いっぱいでこたつがあったかくて、…どうする私。隣の母をチラッと見たら、テレビをまっすぐ見て笑っていた。何も言わない。うーむ。私待ちということか。
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