第2話 テンプレ?

視界が白から色と輪郭を帯び始めてきた。

目の前には明らかに「神様」と呼ばれる風貌のおじいちゃんがいる。

白髪の長い髪とヒゲ、白いローブを身に纏い、杖を左手に携えている。


私はすぐに「定番のヤツだ!」と思った。

いわゆる異世界転生ものだ。

主人公が不慮の事故等で死んで神様と対峙する場面を思い浮かべたからだ。


私はその「神様」からの言葉を待ちわびることにした。

しばらく、どれくらい待ったか、一向に、お言葉、いや、神託?を頂けない。

ただ無言で何の感情もない目をして私を見ている。


私はその時、「本当に神様なの?」と思ってしまった。

いや、そもそも勝手にこちらが都合よく神様と思っていて、異世界へ転生されると期待を寄せているだけだ。

もしくは走馬灯なのか?さっきまで裁判を受けて死刑を言い渡され、即時死刑執行中だった。

そして死刑執行の様子が目の前に設置されてあったカメラから全世界に放映され、全世界の人間たちから罵倒され続け死ぬという流れができていた。

その死ぬ直前に見ている光景なのか?これもよく聞くような走馬灯なのか?わからない・・・。

でも人によって違うかも、自分のしでかした罪によって変わるかも?とあれこれ考えてしまった。


そのような妄想に耽って一段落ついたところで、神様?が私に声をかけてきた。


「今からルールを伝える」と。

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