第一話 剣神の執事

俺はとにかく走った、追手が来るかも知れないからだ、走って走ってとにかく走った。すると街が見えた、その途端に体力が限界を迎えて俺はぶっ倒れた。意識が途切れる前に。「大丈夫か?」と、とても低くて渋い声で言われたのを覚えている。


 目が覚めると豪華な絵が描かれた、天井が見えた、天井があるという事は建物、こんなに豪華な天井ということは神殿か?そんなことを思いながら、起き上がると、大きな柱が立っており、間違いなく神殿のような作りをしている。しかも自分の服が代っている、俺は走って居るとき、私服の地味な服を来ていたが、今は、白が基調とされた動きやすい鍛錬服を着ている・・・

「いや、本当にここどこ?」

すると、俺の声に合わせるかのようにして、大きな扉が開かれた、その扉から、執事服を着た、細身で白髪の60〜70代位の老人が出てきた。

「あなたが・・・ほぅ、あのお方が認めただけある。私は出雲啓いずもけい剣神けんしん様の執事兼身の回りのお世話をさせていただいております。あなたのお名前は?」

「黒木景です。」

「いい名前です。それでは、本題に入りましょう、剣神様があなたに、選択肢をお与えになりました。なので、剣神様のところに参りましょう。」

俺は剣神の執事を名乗る男と共に剣神の居るであろう場所へと向かった。

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