去りし思いと不安や恐怖

釣ール

きらめきは遺骨

 本当に怖いものは現実だなんて釘をささないように生きているつもりだった。


 わら人形で怖がれるお約束のような感覚でいつも夜は過ごしていたのに地方へ行けばヤンキー、都会に行けば道のふくざつさにいつも嫌な思いをしている。


 そういうのも一つの恐怖であって先を不安にさせる本能でもあるのかもしれない。


 ふれなければ楽しむことが出来た怖さ。

 それはリアルじゃないからこそ。


 当事者からすればたまったものではないとはいえ、話は話として切り分けるのも恐怖との付き合い方への対処方法たいしょほうほうで一つの教訓きょうくんともうけとれたかもしれない。


 去りし思いと和風でカッコつけても何かしらこむずかしい話と思い出補正にとらわれている理由を金になるからと別の場所で切り売りしている詐欺師と出会った。

 いまやどこにでも現れている。

 小綺麗こぎれいな見た目で本性ほんしょうをかくしている人間にかつてはたよりすぎていた。


 幽霊も見えていれば怖くない。

 いや、タイプにもよるか。


 だが人間にはあてはめるわけにはいかない。

 信仰や時制、規制や法に倫理は常に変わっていく。


 ずっと学び続けないといけないのか。

 何十年働いても誰にも感謝されずにローンだけ残る理不尽りふじんと葛藤し続ける人もいれば、馬鹿なまま死ぬまで助けてもらえる人もいる。


 中間点で苦しむ人もそうでない人も『恐怖』にいつもおびえている。


 そういうの全部切り分けて棺桶かんおけに入れられないだろうか。


 無理だから怪談としてのこしている。


 あとは人間の冷める欲望を外と中で見ながら、過去に目をかがせていた記憶と今のギャップ差をどこにも存在しないし見えない葬儀屋おとしどころ火葬かそうしてもらうだけ。


 遺骨いこつはない。

 事実だけをかかえて今日もなけなしの金で仕方なく雨にぬれてタクシーを待つ。

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去りし思いと不安や恐怖 釣ール @pixixy1O

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