第45話 ツイてない日

「……はぁ、なんともついてないなぁ私は」


 ゲイルは静かに呆れながら武器をしまう。傍らには操られてしまったのか、はたまた自分の意思でなのかは知らないけれども……自分を襲ってきた聖騎士たちの姿があった。


 どうやら聖剣のメンテナンスと仕事場を離れて休養のために温泉に行っていた事が洗脳のようなことから彼女を守っていたのだ。


「いっきなり襲ってくるし、誰かと思ったら顔見知りの聖騎士ばかりだし……なんだいこれは全く」


 ゲイルはそういうと呆れながら街まで戻る為に道を進むことにした。

 そしてその道中で、姿


「─────ほぇ?なんでここにいるん……です……か?……様……あとネルラ君……?」


 彼女が見た現場は、押し倒されたネルラ君とその上にまたがる見慣れた王様の姿。

 そして片方は顔を真っ赤にして顔を隠し、もう片方……まぁつまり王様の方はなんとも自慢げに服を剥ぎ取ろうとしていたのだ。


「……あ、た、助けてくださいっっ!!げ、ゲイルさんんん!!!」


 こちらに気がついたのか、ネルラ君は涙まじりの目を浮かべてこちらに助けを要請していた。


「……なんだ?あぁゲイルか。ちょうど良かった、このネルラという少年の服を剥ぎ取ろうとしておったのだが、案外こやつしぶとくてな。手伝ってくれるか?」

「喜んで」

「ちょ?!ぼ、僕の人権どこっっ!!」


 ノータイムによる剥ぎ取りであった。


 数分後、抵抗虚しく裸にひん剥かれたネルラを満足そうに見ながらゲイルはアルトリウスに尋ねる。


「そういえば何故ここに?」

「む?そういえばお主はどうやら洗脳されておらんようだな。ふむ、まぁなんと言うか……謀反だ」

「謀反……あぁ成程、そういう事でしたか」

「お主は敵側ではないのだな」

「そうみたいですね。それでどうします、このひん剥いたネルラ君」

「どうするか?決まっておろうが。溜まっていた欲望のはけ口として使用するに決まっているだろう?」

「成程、なら私にも使わせてくださいませんか?」

「構わんが、……しかしここだと少し可哀想ではあるな。そうだな、ここら辺に洞窟や無人の家などはあったか?ゲイルよ」

「あったような気がします。少し待っててください、探してきます!!」


 尚ここまでネルラは裸である。


 ちなみになぜこんなことになっているのかと言うと……


 ◇◇◇

 時間は少し前に遡る。


 火をつけて、暖を取っていた時のこと。


「うーん、火がかなり消えそうですね……やっぱり薪を探してこないと……」


 火が消えそうになっていたのだ。せっかくつけた火がなくなってしまいそうなので、慌ててネルラは息を吹きかけていた。そんな時の事……


「あら、私知ってるわ?こういう消えそうな炎を燃え上がらせる方法……」


 そういうなり、近くの森に走っていき唖然とするネルラの前に薪になりそうな木々を持ってきたのだ。

 そしてネルラに聞く前にその中身を纏めてぶち込んだのだ。


 ……そしてその時、ぶち込んだ薪の中に……。


 が入っていたので、その結果その松ぼっくりは綺麗にネルラを狙撃したのだった。


 パーーーーンと言う破裂音と、顔面にぶつかる燃え上がった松ぼっくり。

 そしてその火が即座に着火したネルラの服は綺麗に燃えてしまったのだ。


 そして災難はさらに続く。

 それはも混じっていたという事だ。

 その結果、アルトリウスは綺麗に発情した。もうそれはびっくりするほどに。


 え?ネルラが可哀想だって?

 大丈夫ネルラの中の人もそう思う。少なくともここまで女性でまともなやつが誰一人として居ないんだから……。


 そしてネルラは襲われたのであった。


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