第5話 ネタバラシ


翌日になってから俺は学校に登校する。

それから俺は教室に着いてからスマホを観る。

そして相手に文章を打つ。

相手は幸ちゃんだ。

何もしてなければ良いが...。


(おや?先輩。どうしたんですか?)

(...しらじらしいな。...お前、何か嫌な事をしてないか)

(してないですよ。私。睡眠薬は混ぜましたけど。...だけどもうなにもしてない)


そう書いてくる幸ちゃん。

俺はその言葉を顎に手を添えて見る。

それから居ると教室のドアが開き。

そして中にアイツ。

幸奈が来た。


「え?幸奈。大丈夫?久々だね」

「そうだね。...ちょっと眠気が凄くて。何か病気だったのかなぁ」


そんな会話をする幸奈をチラ見しながら俺はスマホに目線を落とす。

それから(確かに幸奈が来たよ)とメッセージ。

すると幸ちゃんは(でしょ?)とニコッとしたウサギキャラのスタンプ、文章を送ってくる。


(だけど警戒心が解けた訳じゃない。...どんな復讐でももう止めろ。...人が死んだら意味無い)

(ですが先輩。貴方はこれで良いのですか?)

(良いとか悪いとか。人の命を奪ったら負けだぞお前)

(...確かにですね)


そう書いてくる幸ちゃん。

俺はその言葉を見ながら(お前の復讐心は痛い程分かる。だけどもう止めろ。これは間違っている)とキーボードのマスに打った。

それから送信していると「裕太郎」と声がした。


「...幸奈」

「...どうしたの?元気?」

「...まあな。お前も大変だったな」

「まあね」


俺はその顔を見ながらふつふつと怒りと。

そして複雑な思いが宿る。

それから俺は幸奈に「すまないが話が有る。外に出よう」と言う。

幸奈は「え?今から?」と聞く。

それに頷いた。



「幸奈。俺はお前と別れる」

「...え?...え!?」

「...俺はお前とは付き合えない。...お前は...俺を裏切った」


そういう会話を屋上の入り口の前でする。

すると幸奈は「...まさか」と青ざめた。

俺は「そうだ。お前は何をしたか心で考えるといい」と言う。

そして俺は「重々に反省しろ」と言ってからそのまま歩き出した。


「裕太郎。一回だけ。一回だけしかイチャイチャしてない」

「いや。その時点でもう無理だ。...他の男と何をしているんだお前は」

「ゆ、裕太郎。待って。若気の至りって言うじゃん」

「無茶言うな」


そして俺は立ち去ろうとした。

すると目の前に幸ちゃんが居た。

俺はゾッとしながらその姿を見る。

幸ちゃんは「そう。やっとだね。先輩は私のものだから」と言う。


「待って。計画していたのこれ?」

「当たり前でしょう。貴方が浮気したのが悪い」

「...幸...こんなの」

「こんなの、何?アンタは非道な事ばかりしているから」


そう言いながら幸ちゃんは何かを取り出す。

それは睡眠薬だった。

「フェーズ3に移行しようと思う」と言いながら、だ。

まさかの事態に青ざめる幸奈。


「...何をしたの。私に」

「浮気猿には特効薬。だから睡眠薬をずっと混ぜていたけど。今は風邪薬をご飯とか飲み物に混ぜまくっている」

「...それで何だか身体が異常に...重たいって...」下腹部が痛いなって...」

「因みにバラしたのはアンタが嫌いだから。...幸奈。アンタがね。私の先輩を裏切った罪は背負ってもらう」


「...アンタね...」と言う幸奈。

だけど幸ちゃんは「全て貴方が最初だから。薬混ぜようが何をしようが私の勝手だよね。貴方が最初に私に絶望を導いたんだから」と死神の様な目をする幸ちゃん。

俺は背筋に寒気を感じながら幸ちゃんを見る。


「...私、決めたんだよ実は。お姉ちゃんに復讐しようって。それも先輩と一緒にね。

だけどまあ地獄に堕ちるのは私だけでという事で協力はしてないけど」

「...幸...貴方の事。私、信頼していたのに」

「何を言っているの幸奈。信頼は最初に貴方が壊したでしょう。それも片っ端から全部全部ぜーんぶ」

「...!!!!!」

「私は絶対にアンタを許さないから。家から追い出すまで」


そう言いながら幸ちゃんは笑顔を浮かべる。

「それが私の復讐劇だから」と柔和な感情の顔になった。

幸奈は「...」となりながら膝から崩れ落ちる。

すると幸ちゃんは薬をポケットに入れた。

それから「それじゃあ先輩。一緒に行きましょうか」と言ってくる。


「幸...アンタ...マジに最低」

「...いや。絆なんて案外脆いよ。...それも貴方が悪いんだから。全部...壊してしまった。もう戻らないんだから」


幸奈は泣き始めた。

だがその顔を醜く歪んだ笑みを浮かべて幸ちゃんは見る。

それから「先輩。先輩って付き合う人居なくてフリーになりましたよね。私と付き合ってくれます?」と笑顔になる。

俺は少しだけ考えてから「少しだけ待ってくれるか」と言いながら幸ちゃんを見た。


「...正直...俺は君が怖い」

「...怖いですか?私が?まあこういう事をしていますしね。じっくり考えて下さい」

「...」


幸奈はヨロヨロと立ち上がる。

それから教室に戻って行く。

俺はその姿を見ながら幸ちゃんと別れて教室に戻った。

フェーズを移行するって言ったよな。

どうなるのか...。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る