暗い中 一人ではしゃげば 明けし松島

 暗い中 一人ではしゃげば 明けし松島


 日も出ていない5:18の始発で松島海岸駅まで向かい、そこから徒歩で暗い山を上る。そこには大きな松が何本かあって、薄暗い群青色の空の中で少し不気味にそびえている。やや時間が過ぎたころ、東の水平線がオレンジ色に変化してきた。帯のように横に伸びる雲は暗く、オレンジ色を際立たせる。水平線よりはるか上はまだ青や群青色である。誰一人いない、自分と大きな松がいるだけ。人間と巨大な松が、はるか遠くの松とそれよりもさらに遠いところのオレンジ色をただ眺める。


 次第に空が明るくなって、シアンブルーが広がった。こうして私は山を下り、駅に到着した。

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