第11話
片桐七海side
高嶺くんと話した後の帰り道、私はずっと悩んでいたことを考えていた。
あの日からずっと私のせい、全て私が悪いと思っていた。だからこそ高嶺くんにも顔を合わせずらかったし、星奈ちゃんの話を聞くたびに
悲しみだけではなく罪悪感も増えていった。
だから私はずっと高嶺くんが話をしたいと言っても逃げていた。罪悪感も増えるし、合わせる顔すらもないから。
しかし高嶺くんは根気強く私と話そうとしてくれた。逃げようとする私を追いかけてまで。
だから私は嫌われる覚悟であの日の事を話した。誰にも言っていない私がやったこと今どんなことを思っているのか全てを曝け出した。
しかし高嶺くん私に対して何も悪くないと言ってくれた。
正直恨まれるかと思っていた私にとっては予想外の言葉だった。
それに加え高嶺くんは自分の方が悪いとも言った。それを否定しようとした時私は気がついた。私が今否定しようとしたことは高嶺くんが私にしてきたことと同じということに。
そして私たちは同じだと言ってくれた。
高嶺くんは私と似たような悩みを抱えていた。
それでも星奈ちゃんのために一緒に乗り越えようと言ってくれた。
その言葉が何か胸に刺さっていた何かを抜いたような気がして、私は涙が止まらなかった。
私は自分自身をまだ許せないしこの先も許せることはないと思う。でも高嶺くんと一緒ならできるかもそう思ってしまった。
私は泣き止んで冷静になったあと高嶺くんになんの話をしたかったのかを聞いた。
そしたら高嶺くんは、私が複雑な表情をしていたから、それについて聞きたかっただと答えてくれた。
彼は最初から私から話を聞くためにあんなに行動をしてくれていたのだ。
私にはそれがとても嬉しかった。
そして何故か恥ずかしいと思ってしまった私はお礼を行った後会話を切り上げて解散を促してしまった。
メイクが崩れたなんてのは嘘だ。ただ今は何故だかわからないが、あまり顔を見られたくないと思ってしまったのだ。
帰る前に一瞬高嶺くんの顔を見た。
彼の表情はメイクが崩れたという嘘を信じたのか、少し申し訳なさそうな表情をしていた。
その表情を見た私は確信を持てた。この人はとても優しい人なのだと。その事にに気がついたらつい笑顔が溢れてしまった。
そして帰り道私は高嶺くんが言っていたことを思い出した。
「まだ受け止められていないか....」
それはそうだ私だって受け止める事ができていないのに。幼馴染でもあり彼氏でもあった高嶺くんがそう簡単に受け止められるはずがない。
高嶺くんはきっと気がついていない、星奈ちゃんのことを話す時毎回辛そうな表情をしていることを
高嶺くんは私と同じと言っていた、だから彼にもきっとなに抱えている物があるんだ。
今度は私が高嶺くんの抱えている物を聞いてあげるんだ。私が今まで星奈ちゃんにしてもらったり、今日高嶺くんにしてもらったように。
でもきっと私がそれを今聞いたところで高嶺くんは話すことはない。だから私は高嶺くんが話してくれるまで待つことにする。
そう決めた私は明日からの学校生活に気合いを入れることにした。
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