第8話

本日最後の授業が終了し帰宅時間になった。


「董哉、このあと頑張れよ。俺はこのまま部活に行くからさ。」


「おう。ありがとうな!蓮斗も部活頑張れよ。」


蓮斗から励ましをもらいより勇気をもらった俺は、片桐さんに話しかけにいくタイミングを見計らっていた。


友達といる時では逃げられてしまうので、

1人になったタイミングで話しかけなければならない。


そう考えながら片桐さんの方へ注意を向けていると、以外にも片桐さんは友達との話を早くに終えて帰宅をしようとしていた。


片桐さんが友達と別れ1人になったタイミングで話かけてみた。



「片桐さん、少しでいいから話をしたいんだ。いいかな?」



「.....ごめんね高嶺くん、私今日急いでるからちょっと厳しいかな。また明日ね、バイバイ。」


今回もそうだ挨拶はしてくれるのに話はしようとはしてくれない。

だがもう逃げられるわけにはいかないのだ。

ちゃんとここで話をしなければならない。



「片桐さん待ってくれ!なんで毎回逃げようとする理由は俺にはわからない。でも少しでいいから話をさせて欲しいんだ!」



「...して...まで...」


「ごめん聞こえなかった。今なんて言ったんだ?」



「どうしてここまでして高嶺くんは私と話そうとするの!?」



片桐さんは声を大きくして答えた。



「ただでさえ申し訳なさで顔すらも合わせずらいのに!どうして話しかけてくるの!?」



「待ってくれ、どうして片桐さんが俺に申し訳なさを感じるんだ?俺に何もしてないだろ?」



「したよ....とんでもないことを....だって私のせいで星奈ちゃんは事故にあって亡くなっちゃったんだから!」



「それは一体どういうことだ!?」



片桐さんのせいで星奈が事故にあった?

いいやそんなことはないはずだ。

俺はそんなことを星奈から聞いてもない。



「あの事故が起きる少し前までね私は星奈ちゃんと電話をしてたの。ただ星奈ちゃんと話したいそれだけの理由で私は通話をかけたの。」



片桐さんは涙を流しながらあの日の事を話し始めてくれた。



「今日どんな服装で行ってるの?とかイルミネーション楽しんできてねとかそんな意味のないことを話したかっただけだったの。私にとってはそれはとても楽しいことだったから。」



片桐さんは星奈と毎日楽しそうに話していた、

星奈と話している時の片桐さんは心から笑えているそんな笑顔していた。



「星奈ちゃんは優しい子だからさ、急いでいたのに私との電話にも出てくれてちゃんと話をしてくれたの。それでね少し話をして通話を切った後にあの事故が起きたの。」


星奈も片桐さんと話すのは楽しいと言っていたし、毎回俺との会話の時にも片桐さんの話題を出しては1番の友達と言っていた。



「私が電話ををかけなければ星奈ちゃんが事後にあって亡くなることはなかった...そんな後悔をずっとしてるの。私のせいで星奈ちゃんは亡くなっちゃったの。

だから私は高嶺くんに合わせる顔がないの。ごめんね、悪いの全て私だから.....」



「そんなことはない!」



自分でも気が付かないほど大きい声を出して 俺は片桐さんの言葉を否定していた。

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