第7話
次の日、俺はまず挨拶から始めるようにした。
挨拶は大切だどんなコミュニケーションもここから始まる。
俺が登校し教室に着くとすでに片桐さんは登校しており、席に座っていた。
「片桐さん。おはよう。」
挨拶をすると片桐さんは一瞬驚いたような反応をした後、以前とは違う小さな声で挨拶を返してくれた。
「あ、高嶺くん。おはよう....」
よかった。挨拶を返してくれた。
しかし何故だろう。挨拶をしただけなのに驚かれるような反応をされたのは。
「片桐さん、あのさ少し話したいことがあるんだけど。少し時間いいかな?」
俺は勇気を出して話せる時間を作れるかを聞いてみた。
俺の言葉を聞いた片桐さんは怯えた顔をし
「ごめんね、高嶺くん。さっき私先生に呼ばれてたの思い出したの。ちょっと行ってくるね。」
といい教室から出ていってしまった。
その後も休み時間の度、片桐さんに話しかけて見たが毎回理由をつけられ話をする前に逃げられてしまった。
昼休みまた話しかけようとしたが片桐さんはチャイムがなると同時に友達と一緒に教室を出て行ってしまった。
「おいっすー董哉昼飯食おうぜー」
蓮斗が昼飯なら誘ってきた。
「オッケー準備するからちょっと待っててくれ。」
「そういえばさ、なんで今日お前片桐ちゃんに何度も話しかけようとしてんだ?」
蓮斗が今日の俺の行動に着いて聞いてきたが
理由を全て話すことはできないので少し誤魔化して理由を話した。
「いやさ、片桐さんに聞きたいことがあって何度も話しかけているんだ。」
「はぇーそうなのか。」
自分から聞いてきたのに興味無さげな反応をされた。
「挨拶はさ返してくれるのにさ、話をしようと逃げられてしまうんだよ。なぁ蓮斗どうすればいいと思う?俺片桐さんに嫌われてんのかな」
片桐さんに逃げられてしまうことを蓮斗に相談した。
「そんなのもう強引に引き止めて話をするしかないだろ。」
蓮斗は昼ごはんを食べながらとんでもない提案をした。
「それをやって、これ以上片桐さんに嫌われたらどうするだよ。」
「大丈夫だろ、董哉は片桐ちゃんに別に嫌われていないと思うから平気だ。俺の勝手な勘だけどな。」
「蓮斗の勘か、あまり信用はできないな。」
「信用できないとはひどいな、ちゃんと根拠はあるぞ。考えてみろ、もし今現在嫌われていたら、まず挨拶すらも返してくれないだろ普通。」
「それはそうかも....」
言われてみれば確かにそうだ。今現在嫌われていたとしたら、まず朝の時点で逃げられていたはずだ。
「だから今董哉が逃げられているのは何か別の理由があるはずだ。だからもう強引に聞いちまえ。じゃないとずっと逃げられるままで聞きたいことも何も聞けないぞ。」
そうだ。このまま何も聞けないと星奈との約束を果たすことができない。
これはもうリスクがあってもこの方法でやるしかない。
「そうだな。帰宅時間前に蓮斗の言った通りにやってみるわ。ありがとうな相談に乗ってくれて。」
「礼なんていいんだよ。お前はもっと周りを頼ったり相談をしろ。俺ならいつでも聞いてやるし力になるからさ。」
やっぱり蓮斗は優しいやつだ。俺は心の底からそう思った。
そしてこのあと片桐さん絶対話をするという決心をした。
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