第13話 抑制解除

――――――「ごめん。」

「どうしたい?」

「わかんない」


母の元に帰ってきた。

膝の上に頭を乗せて寝ていた。

感情と反応とがよく分からなくなっていた。


「麗美はどうして欲しい?」

「私は特にこれといってないかな。流ちゃんが大人しくここにいてくれればそれでいい。」


「……。」

「これはこれでしてほしい?」


麗美の手を導いた。


「なんでもいい。どこでもいい。麗美でいっぱいにしてほしい。」


ゆっくり起き上がって麗美を抱きしめた。


「昔なら『したい』で片付けてた。でも今は…」

「今は?」


「ずっとこうしてたい。」


麗美に優しく何度も唇を重ねていた。


「……どうしよう。私が耐えられない。」


母は微笑みながら僕の上になった。


「ママ…」

「なに?」

「マザコンでごめん。」

「いまさら?…そっか…ずっと苦しかったよね。」

「全身に麗美が欲しい。常に感じてたい。麗美が欲しくて欲しくてたまんない。でもこんな自分が嫌…気持ち悪い…。だから消えたい。」


「好きなだけ私に言って?私は嬉しいから。」


麗美は僕の頭を撫でながらそう答えた。


「キス…」


求める前に既に奪われていた。



―――――――――――――――――――――。


疲れ果てて眠る母を背中からみていた。


久しぶりに見る赤目の虎が愛しかった。


僕は小さい時からこれを見てよく反応していた。

これが好きだった。



「……気持ちいい。母さん…」


抑えられなくなってシャワーを浴びた。


「………っ!!…」


―――――――――――――――。


「……。」

「いいから。」


寝ているはずの母が入ってきて僕を誘う。


「おさまらないんでしょ?」

「やめろ…」

「どうして?」

「して欲しくない」


僕は母にしゃがませてまで相手させたくなかった。母は崇高な人…尊い人。


「麗美はそんなことしなくていい。」


同じくしゃがんでから立たせると、

後ろから首にキスした。


「麗美本当に綺麗…」

「そう?」

「うん。」

「……やっぱり私ね。」


母はスイッチが入ったように僕を求め始めた。


全身にキスして歯を立て、爪を立て…


「…麗美、そこはダメ。」

「使えるでしょ?知ってるよ?」



――――――――――――――――――。


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