第6話 親離れ

――――――ある日の夜。


『会社の人とご飯食べてから帰る。』

と麗美に連絡を入れた。


『わかったよ。飲み過ぎないように』

と帰ってきた。



――――――――――――居酒屋。


凜音と二人で静かな個室のある居酒屋に来た。


「ん。」

僕が口を開けると、凜音が卵焼きを入れた。



「最近、ママとどうなの?」

「変わんないよ。」

「そっか。なんかあったら言いなよ?」

「ありがとう。」


凜音は母との関係を知る唯一の人。


「りんね。」

「うん?…付いてるし。」

「あ、ごめん」


凜音が僕の口についたものを取って食べる。


「で?なに?」

「変なこと言っていい?」

「とりあえず聞くだけ聞くかな。」

「…立ってきた。」

「何考えてんの?」


凜音が呆れた顔をする。


「ホテル行かない?」

「ママにバレても知らないよ。」

「……。」


すると、凜音が膝立ちになって僕を引き寄せて唇を重ねた。


「あたしはいつでもいい。」

「…でも俺さ、普通のじゃダメなんだ。」

「…と言うと?」


僕はワイシャツのボタンを2つ外して

痕を見せた。


「…そういう事ね。」

「これがないと安心出来ない。それに麗美がいつでもそばに居てくれる気がする。」

「いつから?」

「…高校入る前くらいからかな。」


「…ねぇ、この後ホテル行かない?」



――――――――――――――――――――。


帰宅後、リビングに母がいた。

ソファ座る母の隣に座ると、押し倒された。


「…流星、女の匂いする。」


母は僕の首に爪を立てて、脱がし始めた…。


嬉しかった…。


「麗美…」

「私じゃないとだめなのに。わかった?」

「うん。」


――――――――――――――――――。



僕はこの日、母から離れることを決めた。

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