STR 特異伝承記録

織青 叶

見つけるは

怪異 伝記 伝承 この世には様々な不思議に満ちている。

僕の祖父はそういったものを中心に集める考古学者だった。

そんな祖父が先日亡くなった。

「ついた。」

「はると様 お待ちしてました。」

「あっ 薫さん。今日からよろしくお願いします。」

遺言と遺書の結果、僕は祖父の屋敷と薫さんが渡された。

「はると様とりあえず屋敷の整理をいたしましょう。」

「そうだね。」

屋敷とは言っても祖父は基本外に出ることが多く物と言えば集めてたいわく付きアイテムか様々な伝承をまとめたノートだった。

「読んでみるか。」

僕の中で祖父は優しい人だった。

よく一緒に遊んでくれて僕はよく懐いていた。

中でも僕が面白い話はないかと聞くと

「はると この場所ではな!」

とすごく笑顔で話してくれた。

そこまで祖父を夢中にさせたものはどんなものか興味がある。

ガタッっと物音が聞こえた。

「誰かいるのか。薫さん?」

声をかけるが誰からの返答も聞こえない。

「見るか。」

怖いもの見たさもあり音がした方に向かう。

「ばぁ!」

「うわぁ!」

いきなり誰かに驚かされた。

「な な だれ?」

「あはっは。」

そこには知らない子供がいた。

「お兄さん。だぁれ?」

「君そこ誰だよ?」

「質問に質問で返しちゃダメなんだよ。いーけないんだいけないんだ。」

なんだこいつ。

「あー悪かったよ。僕は鹿江晴人かのえ はると君は?」

しかし僕も大人 キレるなんて大人げないことはしない。

「雨歌だよ。あめにうたで雨歌。ねぇお兄さんこれ読んで!」

「これは。」

雨歌が見せたのは祖父が集めてた伝承の一つだった。

「わかったこっちおいで。」

「うん。」

祖父は椅子が苦手だったのか座布団にちゃぶ台でいろんなものをまとめていたらしい。

「どーん!」

「ぐふっ。」

腹に衝撃が。絶妙に鳩尾付近なためいてぇ。

「だ 大丈夫?」

「あーうん平気へいき。」

鍛えないとなぁ。子供の体当たりに負けるなんて。

「じゃあ読むね。」

「うん。」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

STR 特異伝承記録 織青 叶 @AMANOSUI

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ