第6話 時空移動は普通
葉山が「シュン、本当に僕らが過去に時空を戻ったことは認める。しかしまだ、信じられないよ。マンガの世界じゃ、よく見るがまさか自分が時空を戻るなんてさ。
笑えない冗談だよな。」
僕が『そうだな』っと言うより前にカブトムシが話しだす。
「この現状は本当だ。マンガの世界には普通に時空の移動はある。転生ものも同じだ。
これは、書いた作者の脳内だけの時空移動ではない。人間は学習する生き物だ。
学習は言い換えると“その体験”があったこそ言い伝えとして残せる。書き残せる。
事実だ。これは普通に誰にでも起き得ることだ。」
僕はカブトムシに
「みんなに普通に?ありえない。カブトムシが言うように、過去に1人だけが、本当に時空移動をしたとしよう。
それをみんながコピーして伝承したとしたとも考えられる。」
カブトムシが存在感を増して飛ぶ。
「シュン、もちろんその可能性もあるさ。
しかし、この世界の至る場所、バラバラの時代にたくさんの時空移動の事実はある。一つの事実のコピーだけだは、すべては補い切れないぞ。」
「確かに。」
葉山も「そうだよな、昔話の浦島太郎とかさ。それに現代でもたまに神隠しとかで元の世界に戻って来たとか、よく夏の特番なんかでやってる不思議な話がそうだよな。なあ、シュン、カブトムシの言っていることは案外正しいかも。
本当に時空移動は普通のことかもしれない。大昔の人間がまさかAIの人型ロボットやチップが存在するなんて想像もしていなかったはずだ。それが、今は普通に僕らの生活の一部に溶けこんでいる。
時空移動できないは、僕らの思い込みであって本当は普通にできるのかもしれない。
それに僕らは今、8年前の世界に来ているしな、シュン。」
僕は葉山の言葉を受けて”普通に誰もが時空移動できる”ことを信じた。その通りだ。しかし、誰かが邪魔をしている。それを公にするのを誰かがコントロール支配下に置いている気がする。”それは、誰だ!”
カブトムシが頭の上を旋回して「シュン、その正体は時が来れば教えてやる。」
「今、すぐ教えろ、カブトムシ。」
葉山が心配する。「シュン、大丈夫か?」
「あー、大丈夫だ。」
カブトムシが
「シュンお前は、小学生の時から理屈ぽくって、頭が硬い。変わらないな。」
「うるさいぞ、カブトムシ。それより僕の記憶を早く見せてくれ。8年前の思い出せない僕の記憶を!」
「焦るなシュン。順番にだ。ほら、見ろ。8年前のお前たちが来たぞ。」
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