第10話 おはよう異世界

目を覚ましたら、知らない顔が覗き込んできて、びっくりしすぎて起きて早々、頭突きをかましてしまった。


「わァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァぁぁぁ!!??」


ゴンッッッッ!!!!



「ッ―――………………。」

相手は布団に頭を突っ込んで痛そうにしている。

昨日から思うけど…なんかいい匂いするなぁ…………


………あ、しまった…。

今思い出した。昨日助けてもらった人だった。

完璧に忘れてた。あと、俺のチン…を掴んできた…。

え、まってだいぶ恥ずかしいな、これ………。



しかも、なんかむっちゃ位の高そうな人だ。

やばいかもしれない、追い出される…

マジでやべぇ、あやまらなきゃ!!




「大変、申し訳ございませんでした!!」


俺は布団から出て、スライディング土下座をかました。





―――――――――――――――――――――――





「クッフッwww」


笑い声が聞こえたので、顔をあげると彼がむっちゃ腹を抱えて苦しそうに笑っていた。


許してもらえたのは良いが、なぜそんなツボっているんだこの人……。

失礼だぞ、このやろう。

これがジャパニーズスタイルなんだよ!!

でもよかった、なんかわからないけど日本語は通じるようだ…。



「フッww………ふぅ、お前、名前は何と言う?」

笑いながら名前を聞いてきた。

重要なのでもう一回言う、失礼だなこのやろう!

まぁ、一応敬語使っとこ。

「蓮川咲夜といいます。一応学生です。」

「!!」

彼はびっくりして固まってしまった。

「……どうしましたか?」

「っああ、すまないお前のこと勝手に成人していると思っていたから……ところで歳を聞いてもいいか?」

「17です」

「……!!」

まーたびっくりしてしまっている。

なんか面白くなってきた。


「あの、あなたは?」

そう聞くとさきまで固まっていた顔がやっと動いた。


「すまない、申し遅れたな。

俺の名は、フェアナンド・アドリオン。ソリア王国の第2王子、一応いうが歳は20だ」


次は俺がびっくりする番だった。

「…!!」


ソリア王国ってどこ!?

地球にそんな国は存在しない。

あのときの予想は当たっていたか…

なるほど異世界かぁ………(?)

理解、理解(?)

全然納得はできなかった。


……しかも、思った以上に位の高い人だった!

やべぇ、俺さっき失礼なこと言わなかったかな…!?

そしてさき、失礼なやつ、このやろうとか心の中で言って本当にすみませんでした!!!


「とりあえず、昨日が昨日だから今元気そうでよかった。サクヤ?沢山聞きたいことがあるが、仕事があるので行ってくる。また夕方頃戻るから、その時までゆっくりしておけ。なにか困ったらベットの横にある鈴を鳴らして執事を呼んでくれ。ご飯も食べるんだぞ!…では、行ってくる。」




「えぇ…いってらっしゃい……??」


王子はパッパッと出ていってしまった。



昨日見たときは冷静な人だと思ったのに、意外と騒がしく風のように勢いのある人だったなと思って彼の背中を見た。



そして同時に昨日オナニーしてもらったことを思い出して、本当に恥ずかしくなった。



でも、久しぶりにまともに人と話せて、心底嬉しかった。

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