第9話 恋を叶える木(side フェアナンド)
俺は気がついたら、誘拐犯の頭を切っていた。
今、一瞬理性が飛んだ。誘拐犯の頭を切ってから理性が戻った。
慌てて誰にもバレないように即座に抑制剤を飲み込んで、キョロキョロしている彼に話しかけた。
「もう大丈夫だ、お前はよく頑張った、あの闇商人は早急に始末しておく」
抑制剤がなかなか効かないが彼が心配しないように冷静を保って愛想笑いを作る。
「はぁ…ありがとう…ございます?」
涙目ではてなを浮かべながらお礼を言ってくれた。俺がいきなり現れたせいで困惑しているようだ。
「それより、お前ヒートでキツイだろう?」
俺はそう言って彼を持ちあげた。
思った以上に軽かった。
「…え?」
彼は、持ち上げられると思ってなかったらしい。
なにを思ったのか耳から頬へとどんどん顔が赤くなっていった。
さっきまでの威圧感のある顔とは真逆だ。
愛らしい……噛みたい。
ッッ何考えてるんだ…
いきなり噛むのはだめだろう…相手も知らないのに俺はなにを考えているんだ…
それにしても、なんで抑制剤が効かない……?
俺がもやもやと考えている時に彼は、いきなり質問してきた。
「……あの、ひーとってなん、ですか
あとさっきから甘い香りがする、んですけど?」
「…ッ!ヒートを知らないのか……」
ヒートを知らないとはどういうことだ?国民は全員が第二の性のことについて10歳のときに習うはずだ。それを何故知らない…?どういう事情があるのだろうか……?どうするんだ?
はっと彼を見ると困った顔していたのですぐに我に返った。
とりあえず彼は持ち帰えろう。
沢山説明をしてあげようと思った。
もう一回彼を見ると、つらそうな顔をしていた。
抑制剤を飲んだがやはり効かないようだ。
俺は護衛には抜けるようにと静かに指示してから、彼に話しかけた。
「まぁ、とりあえず今は知らなくてもいい、あそこがつらそうだから、そっちが先だな」
俺はそういうと彼の下に履いているものを一気に脱がして、彼の性器を掴んだ。
「はぁ…!?やめろ…やめr…ンぅ♡」
彼は声は抵抗しているのに、手は俺の服をぎゅっと掴んできた。
「こんなに濡れてる、こんなんなるまで我慢したんだな…もう楽になっていいぞ」
「ふぇ……ぁ…ぅ♡んん」
……喘ぎ声が可愛すぎる…。
本当にさっき見た彼を疑うほどに変わっていた。
………彼が、泣いている。これは、生理的な涙じゃなくて、きっと心理的なものだ。
俺は心配になって手を緩めようとしたときだった。
「…んもっと…もッ…っと」
……ッッ!!完全に理性が溶けている!!
匂いがさきよりも強い。
俺もやばい、早く終わらさなければ!
「……煽ったな?わかった、もっとしてやる。」
「んぅ゙!?あッん…あっふぅぅ゙」
彼の腹に愛液が垂れていく。
「っもうっん、イっちゃぅぅ゙っこわ、いん♡」
さきよりも一段と匂いが強くなる。
ッッ!!泣いている、噛みたい、噛みたい、番にして安心させたい!番にしたい俺の番に…!!
気がつくと、俺は彼のうなじを噛もうとしていた。
今はだめだ!!
俺は強引に顔を首から話し、耳元を通り過ぎる時に、言った。
「大丈夫だ、イっていいぞ」
彼は一回ブルリと体を震わせた、
「――――ッッッ~~!!」
「はぁ…はぁ…」
彼は今にも寝そうだ。
そして、今頃になって抑制剤が効いてきた。
「おつかれ、疲れてたら眠ってていいぞ。俺の屋敷まで連れて行くから。」
俺は初めてΩに恋をした。
彼の年相応じゃない怯えるような涙を見て、
彼を守りたいと、思ってしまった。
彼は絶対なにかを抱え込んでいる。
俺が助けてあげたい。
俺が彼を見つめると、眠そうな目で頷いてくれた。
俺の膝の上で安心しているようだ。
頷いたあと彼はすぐに寝てしまった。
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