第9話 こんなの、知らない※
「いやぁ゙……やめ………」
……?
髪を引っ張られると思ったのに、何もな、い…?
不思議に思って見上げると、そこには頭のない誘拐犯兄弟がいた。
……え
下を見ると、2人の頭が転がっていた。
別にそれが怖いとは思わなかった。
助けてくれた…?、
それよりも体は熱くて、何故か理性が飛びそうで限界だった。
回らない頭で助けてくれた人を探そうとしているとき、甘い匂いとともに、頭上から声が降りかかってきた。
「もう大丈夫だ、お前はよく頑張った、あの闇商人は早急に始末しておく」
見上げると、いかにも貴族のような男が立っていた
かなりの高身長で西欧系の顔をしている。
「はぁ…ありがとう…ございます?」
「それより、お前ヒートでキツイだろう?」
俺はいきなり抱き上げられた。
「…え?」
それはもう軽々と…。吸い込まれそうな金色の目がこちらを見ている。
……さっきから、匂いがこの男からする…。甘い匂い…ほしい。
っ!?何考えてるんだ…ほしいってなんだ…
だめだ…もっと近くに、いたい…
さっきからどういうことなんだ…?
「……あの、ひーとってなん、ですか?
あとさっきから甘い香りがする、んですけど?」
やばい呂律が回らない…息が熱い…
「…ッ!ヒートを知らないのか……?」
男は困った顔をしてちょっとの間固まってしまったがすぐに表情を切り替えて言った。
「まぁ、とりあえず今は知らなくてもいい、あそこがつらそうだから、そっちが先だな」
彼がそう言うといきなり、俺の、ズボンを脱がしてきた。
「はぁ…!?やめろ…やめr…ンぅ…♡」
ぎゅっと彼に掴まれる。意志とは逆に俺は彼にぎゅっとつかまった。
「こんなに濡れてる、こんなんなるまで我慢したんだな…もう楽になっていいぞ」
彼が手を上下させるとすでに濡れていた先からとろとろカウパーがこぼれ出た。
「ふぇ……ぁ…ぅぁァ゙んん」
なにこれ、気持ち悪いのに…気持ち良すぎる…
だめ、知らない人なのに、むり、これ以上やったらおかしく、なる…
こんな、気持ちいいオナニー、しらない
もっともっとほしい、ほしい
上も下も、もうびしょ濡れだった。
気持ちいいのと、悲しいのいろいろな感情がぶつかって涙が止まらない。
彼の、手がふいに止まった。
いやだ、止めてほしく、ない。
もう、1人ぼっちは、いやだ。
生まれて初めて、人の優しさに触れて、我慢できなかった。
たとえ、それが虚偽の優しさだったとしても。
その優しさに浸りたかった。
「…んもっと…も、ぉッ…っと」
と言ったときには完璧に理性は消え失せていた。
「……煽ったな?わかった、もっとしてやる。」
と言われた瞬間彼の手の動きが速くなった。
「んんぅ゙ッ…♡!?あッん…あっふぅ…」
あ、だめ、もうイっちゃう、
「っもうっん、イっちゃぅ♡っちゃうっこ
わ、いんッ…!」
彼は一瞬つらそうな顔をしたあと、うなじを噛もうとしたのか、口を開けて近づいたが、すぐやめた。
なんだか、辛そうな顔をしていた。
「大丈夫だ、イっていいぞ」
耳元で囁かれた瞬間
「――――ッッッ~~!!」
「はぁ…はぁ…」
「おつかれ、疲れてたら眠ってていいぞ。俺の屋敷まで連れて行くから。」
彼の言う通り、もう、体力は限界だ。
こくん、と俺は頷いた。
声を出す気力目を開ける気力も、もう、ない。
俺は初めて希望をもった。
彼ならついて行っても大丈夫だ、と思った。
彼なら、きっとひどい事はしてこないはず。
安心する匂いが、する。
だから、きっと、大丈夫。
俺は彼に抱かれ、馬車に揺られながら、ゆっくりと意識を手放した。
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