第一章

第3話 夢

深くて暗い空間をずっと彷徨っていた



誰もいなくて寂しい、悲しみで溢れた暗く禍々しい空間を


  

とても、とても寂しく、悲しかった

  

 

その場にしゃがみこんでしまった










  

後ろが眩しい気がして、


ふと、後ろを振り向くと光が差し込んでいた

   


眩くて心が温まるような光




光の中から男が手を差し伸べてきた



大きくて、優しくて、すべてを包みこんでくれるような、その、手



気づいたらその手をとっていた



男が、何か話している



「君を―――」



なにを言っているのか聞き取れなかったけど、



それを言われた瞬間、



さきまで暗かった空間が光で満たされていた



なぜか、自然と笑みが溢れた



男も幸せそうに笑っていた



俺は嬉しかった




そして、ただただ幸せだった

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