”勝てる理由がない”
ナンデ…ドウシテ…
もはや意気消沈どころの騒ぎではない。
恐らく勝率は3割ではなく2割に達した事だろう。
何故かランクはBに上がっていたが、これはもうシステムが悪いと割り切るしかない。
連携が取れないのは勿論だが、相手を前にしても何をする暇もなく瞬殺されるせいで塗るとかキルとか言っている場合ではない。縄張り争いとは偉い違いだ。
折角キル武器を持っているのに、皆が一斉に正面切って真ん中でぶつかるのでどっちが勝つかはほとんど運と言って良い。隠れる場所を用意する暇すらないのだ。
そしてこのルール、なんと慣れる前に次のルールに変わってしまう!
落ちているホタテを集めて互いのゴールに入れた量を競うルール、
一つしかない神輿に乗って敵陣まで移動させた距離差を競うルール、
指定範囲を一定割合まで塗る事で確保し、その確保時間を競うルール、
最後に巨大なシャチの武器がバリアに守られて一つだけ置いてあるので、
それをお互いの陣地のどれぐらい奥深くに移動させられたか競うルールだ。
それぞれガチホタテ、ガチミコシ、ガチゾーン、ガチシャチだ。(ネーミングセンスを以下略)我ながらよく思いついたものだ。何の話かって?気にしない方が身のためだz(ry
こんなの勝てるわけがないよ…もうだめだぁ…おしまいだぁ…
暫くマッチング画面で放心していると(悔しくてすぐ次を始めてしまうのだ)兄貴が出てきた。僅かに悲しそうな顔をしているが、泣きたいのはこっちだと言ってやりたい。ああまた講義が始まるのか…とそう思ったが、現実は更に苦く渋かった。
「勝てないのは…当然だ」
ゲームに負けた実の妹に言う事がそれなのか…?
本気で…?
「始めたばかりじゃ…”あいつら”には勝てる訳がない。」
言っている意味は分からないが、そろそろ次の試合が始まる。
せめて試合中の5分くらいは黙っててほしいと思いつつ、姿勢を正すと不思議な事が起きた。
この試合…勝てる。(確信)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます