レッスンワン・役割分担

「相手を倒すだけじゃダメだ。」

あるプロが言ったこの名言は全文引用される事は少ないが、このゲームをやる人間で、公式の大会を見ていたらほとんどの人が知っているはずだ。

クラゲが水鉄砲を持っている姿は愉快だが、その実非常にシビアな世界と言える。


このゲームはまず「塗り」があらゆる動作において非常に重要な役割を果たす。

クラゲたちは塗った地面に潜る事で回復や弾の補給ができるし、移動が速くなる。相手にはかなり見づらい状態だ、頑張れば飛び散るインクでそこに居るのは分かるが。それを更に隠す装備品とかもある。このクラゲたちはお洒落が好きなんだそうだ。

ただ、隠れていると横に広くなるというか、弾の当たり判定自体はむしろ大きくなる。即座にその場に伏せるので一部を除いて弾を避ける事にもなるが、あまり過信はできないという訳だ。もう面白いな。


更に言うと、潜れる地面の面積は自分で撃ったインクで増やす事ができる。

これが最初に言ったプロの名言に繋がってくる。

このゲームは根本的に4vs4の縄張り争いなのだ。

それぞれがそれぞれのコマとしての役割を果たさなければならない。

チェスで言うならルークで囲った所を城門扱いして王様はそこに移動できるし、

将棋で言ったら歩兵が壁になっていなければいくら飛車や角が飛び回ってもすぐに捕まってしまう。現実の戦争の話は…父さんに聞いただけだからこれはやめにしよう。古き良きオタクはソースが不十分な事は語らないのだ。

ニワカだのミーハーさんは良く知ったかをするからオタクの間からは嫌わている。おもむろに立ち上がるって本当はゆっくり立ち上がるって意味だったらしいな。にわかには信じがたい話だ。


そう、オタクは話が長いから一般人に嫌われているのかもしれない。(やかましい被害妄想)

話を戻そう。閑話休題。


クラゲたちは主に水鉄砲で武装しているが、これには色んな種類がある。

筆やバケツなど正に十人十色と言った風体で、種類がありすぎて一部は画材ですらない。流石に自分と同じ位のサイズの風呂を担いで戦うのは面白い。


これらをファンが勝手に更に明分化していったのが”塗り武器”だの”キル武器”といった役割分担だ。

普通に考えて、お互いが見えている状態で自分より射程の長い武器を持った奴に勝てる事はほとんどない。先に長い武器を持った側の攻撃が当たるからだ。

だが、このゲームにはシールドだのボムだのという武器毎に定められたサブ武器や、地形を利用した奇襲が横行しているので一概に射程の長い武器が最強とも言い切れないのが面白いところだ。(この文を良く覚えておいて下さい。)

更に、一般的には射程が長い程攻撃力か攻撃頻度に乏しい場合が多い。

そもそも弾が当たらなければ威力を発揮しないので、長い武器を持つならそれなりの照準精度が必要だ。(AIM精度、エイム力って言ったりもするな。お前エイム良すぎるって。)

しかしこれは相手と撃ち合った場合の話で、その辺の地面を塗る場合はその限りじゃない。塗れば移動が速くなるし、弾の補給場所も増える事になる。(塗った地面だからって薄く表面に膜がある程度だろうに、そこに隠れるだけならまだしもインクが無限に湧いてくるのが不思議ではあるが。ゲームのそういう所にツッコミを入れるだけ野暮というものだ。)

なお、古いオタクの表現でこれをゲスの勘繰りという。


”塗り武器”は一般的にこの地面を塗る効率が極端に高い武器を指す言葉だ。そもそも縄張り争いで、最後に塗った面積を競うルールなのだから重要なのは間違いない。特に一瞬の攻撃力に欠ける武器がそういうカテゴライズをされがちで、逆に一発で相手を倒せるような武器は地面をほとんど塗れなかったり、撃つ度にタメが必要で発射レート自体は少なかったりする。こういうのが”キル武器”だ。

この二つに分けただけでももう無尽蔵に連携パターンとかが湧いてくる。

お、あの人はキル武器だから中途半端な自分は塗りを頑張ろうかな?とか。

戦うってそういう事だ。だから試合の度に全く同じ事をする事はほとんどないし、面白い。特に野良と組むなら己のアドリブ力が大いに試されるというものだ。

ではそれを今から更に分かりやすく…破壊しようじゃないか。

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