第4話 ギャル→ギャル巫女→地巫女

【前回までのあらすじ】

①銀河鉄道建設用トラックビームが地球に直撃。全生命体無事死亡。ヨシ!

②銀河鉄道建設公団(銀建公団)から被害者への賠償交渉はじまる。ヨシ!

③交渉中に突然現れた怪しいバナー広告。意味不明な動画。は?


【登場人物紹介】

俺:主人公。物語の語り部。愛想笑いがキモい。開幕で爆死。あとブサイク。

俺mark2:俺氏の人格クローン。銀建公団からの賠償交渉人。慇懃無礼。ブサイク。

以上!

★★★


突然地球が爆散して俺も爆死して、かと思ったら不思議空間で生き返って謝罪され、賠償してくれるっていうから異世界チート転生を要求したら失笑されムキーくやしいです!・・・からの怪しいバナー広告出現、再生した動画はブツ切れ、なんだこれ。


俺「この動画に出てるのって、銀建公団の?」

俺モドキ「いやぜんぜん公団無関係ってか、誰これ?」

俺「なんとなく見覚えがある顔のような」

俺モドキ「うっすら記憶があるような」


俺と交渉人氏は、顔を見合わせ困惑する。俺の人格と記憶をコピーしてんだから、俺が思い出せない事は彼にも思い出せない。


俺「・・・たぶんだけど、モリモリ動画で話題になってたアレじゃね?」

俺モドキ「似てる。可能性大。」


アレってのは、最近話題になってた動画配信者、「ギャル巫女」の事だ。

元々はギャルキャラで動画を出していたんだが、「企画」と称してバイト巫女を始めたところバズったヤツ。バイトしてた神社の名前が山神神宮だった気がする。

ギャルメイクやめたらクッソ地味顔になってそのギャップでバズったんだよな。

それで急上昇検索ワードトップが「地巫女」になったヤツ。


うん、あいつだ。


再生アイコンをタップして、もう一度動画を再生してみる。

やっぱそうだ。


俺「あいつ転生神だったのか!これは規約スキップして異世界転生ボタン連打するっきゃないっしょ!乗るっきゃないっしょ!このビッグウェイヴに!」

俺モドキ「いやいや、異世界とか存在しないから。現実見ろよ。冗談は顔だけにしろよ。」

俺「なんでやブサイク関係ないやろ!」

俺モドキ「あの巫女さんさ。あいつ普通の人間だったじゃん。転生神とかじゃねぇし。仮に『銀建公団からの賠償』として『異世界転生』を希望したって、そもそも異世界なんて存在しないし、それっぽい惑星を『なんちゃって異世界』として新たに創造するには賠償額が足りなさ過ぎる。無理~。残念~。夢見てないで、拾った命を大切にして日銭を稼いで整形手術しろ、な?」

俺「なんでやブサイク関係ないやろ!」


俺と俺モドキのブサイク2名が息の合ったブサイク漫才を繰り広げているさなか、ピコーンと音がして、例の怪しいバナー広告が点滅を始めた。


俺「今度は何だよ」

俺モドキ「あーこれ・・・賠償交渉ルーム全部に動画配信ってのが公団WIFIルーターに負荷掛かってたらしいですね。さっきの動画がブツ切れだったのはそのせいですよ。問題は解消したそうです。」

俺「あるんだ公団WIFI。てか、この空間は賠償交渉ルームだったのか。」

俺モドキ「見ますか?動画の続き。」


★★★


次回に続く!



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