第157話 ジェームズとノンビリトーク
オレはアンドリューにもらった
結界の中を土魔法で綺麗に整地してから、風魔法で神威の残滓を上空に吹き上げておいた。
さて帰りましょう。
結界を解除してあたりを見渡すと、鍛錬場の入り口近くに騎士たちと魔法使いたちが待機しているのが見えた。
それ以外には誰もいない。
二台の荷馬車を風魔法で浮かせて入り口に歩いて行くと、馬に乗った騎士が近づいてきた。
帝都騎士団の鎧を身に着けた
ジェームズは並足で馬を進めてくると、オレのそばで馬を降りて話しかけてきた。
「アラン、
「うーんと…、挨拶…といったところですかね…」
「挨拶…?」
「ええ、
「それで…、その荷馬車は…、またアレを持ってきたのか?」
オレはジェームズに『念話』で話しかけた。
『またアダマンタイトをもらってしまいました。金銀に宝石類もたっぷり。それにオリハルコンも…』
「オリ…!!!」
「しっ!、お静かに!!」
オレは口に人差し指を当てて言った。
「詳しい話しは屋敷に戻ったらいたします」
オレはあたりをもう一度見渡して言った。
「人には知られないようにしないと、とんでもない騒ぎになりますからね」
ジェームズはちょっと青い顔をして
「
「
ジェームズはちょっと笑った。
「
「そうですか。もうヤツラも帰ったし、私も屋敷に帰ります」
「そうか。それで神獣たちはお前に会いに来て、土産を置いて帰ったし、しばらくは帝都には来ないのかな?」
「はい、ヤツラが帝都の近くに来ると、人々が怯えて騒ぎになるので、来ないでくれと言っておきました」
「そうか…、それは確かなのか?」
「はい、来るなら山か海のそばで人がいないところに来てもらうようにします」
「んっ?、来てもらう…。それはなにか連絡する手段があるということか?」
「はい、
「神獣たちと友誼を結んだ…」
ジェームズは首を振ってため息をついた。
「まったく、お前には驚かされすぎて生命がいくつあっても足りんなぁ…」
「申し訳ございません。私も
ジェームズはオレの肩をポンポンッと叩いてニヤリと笑って言った。
「まぁこれもお前の父親としての
ジェームズは後ろを振り返ってオレを乗せてきた馬車を呼んだ。
オレは風魔法で浮かせたままで荷馬車を馬車に繋いだ。
ジェームズは王城に報告に帰り、オレは警護の騎士たちと屋敷に帰った。
屋敷に帰るとオードリーとクラークにヴィヴィアンが待ち構えていた。
オードリーは何も言わずにオレを抱きしめた。
オードリーは震えていた。
「アランが騎士たちに連れて行かれた後で、
ヴィヴィアンは怒った顔で言ったが、オレに後ろから抱きついて震えていた。
「ごめんね。
「アラン、神獣たちはおとなしく帰ったのか?」クラークが少し青い顔をして訊いてきた。
オレは三人を安心させるために笑いながら言った。
「ええ、少し話をしましたが、満足して帰りましたよ」
「
「お母様、もうしばらくは来ないでくれと言っておきましたから、安心してください」
「しばらくは来ない…?」
「はい、人々が暮らす街の近くにあのモノたちが来ると、
「アランが目覚めてからまだ数日なのに、毎日大変なことばかり起きるわね」
「申し訳ありません」
「ねぇアラン、あの荷馬車に積んであるのが、神獣たちのお土産なの?」
「ええ、そうですよ。いいモノをもらったので後でお見せします」
「ホウセキ ハ アルノ 」ヴィヴィアンはささやくような声で訊いてきた。
「アリマスヨ」オレもささやき声で答えた。
ヴィヴィアンは満足そうに頷くと嬉しそうに笑った。
「お母様やクラークにもいいモノを貰いましたからね」
オードリーは困った顔をして言った。
「アラン、高価なモノを貰いすぎると、その分大変なことになるかもしれないのよ」
「そうですね。まぁ詳しい話しはお父様が王城から帰ってからにしましょう」
オレは庭の奥に荷馬車を運び、家族に見せるために、
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お読みいただけている皆様、ありがとうございます
カクヨムコンに参加しました。
「異世界ライフ」部門です。
参加にあたり、題名を変更しました。
詳しくは近況ノートをお読みください。
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