第149話 不死鳥と老龍:④
『おのれぇ〜〜、ふざけおって!。ワシは
んー、なんだコイツ。そんなに怒るんならオレの張った結界をぶち破ってオレを喰い殺せばいいじゃない?、どうして結界に
ボク、ワカラナーイ。
オレは【
【名称:老龍(ロウリュウ・エルダードラゴン)・称号:(神獣・龍王)・加護:創造神サリーエスの加護】と読み取れた。
老龍…ロウリュウ…、プププププ…ハハハハハハ…アーハハハハハハ。
オレは大声で笑った。
この世界に転生してからこんなに大声で笑ったのは初めてだ!。
いやぁ愉快だねぇ〜。
アンドリューとグレゴールは突然笑い出したオレを見て、キョトンとした顔をしている。
まぁそうだろうね。分からないよね。
だってロウリュウってさ、サウナの中で汗だくのオヤジたちがタオルを振り回して、ウッヒャ〜〜とか、トトノウ〜〜とか言いながらキャッキャしてるヤツじゃない。
正確にはロウリュなんだけど、目の前にいる
『あー、失礼。ちょっと思い出したことがあって笑ってしまったが…、それで何だったけ?』
『だからじゃな!、
『あー、左様ですかぁ。しかし高貴な存在である龍王様でしたら、
なんかこのやり取りって、アンドリューともやったよなぁ。
神獣様って、メーンドクサーイ。
オレがアンドリューをチラッと見ると、
グレゴールを見ると、ウギュウギュとか言いながら身体をくねらせて結界を破ろうとしているが、神威をガッチリ込めた結界の内側には魔力吸収・神威吸収を付与してあるし、外側には魔力反射・神威反射を付与してあるからどんどん力を失っていくだけだ。
体力が
オレはアンドリューが集めてきた鉱石を鑑定しながら選別していった。
金・銀・ミスリル・アダマンタイト…あーぁ、またアダマンタイト鉱石を持ってきちゃったんだ。
それから宝石類が含まれた鉱石にオリハルコン……。
オレは一度息を整えて、大きく深呼吸をして、神眼に神威をキッチリ込めて、もう一度深呼吸をしてから、デカい鉱石を鑑定した。
オリハルコン…。
オーイ、なんじゃこりゃあ〜。
オリハルコンってなんだよぉ〜。
ナンテものを持ってくるんだよ。
オリハルコンなんて、表に出せるかよー。
戦争起こす気かー。
こんなモノ……、どっかに捨ててこいよ……。
オレはその場に座り込んで、指先で土をイジイジとコネながら現実逃避したかったが、そんなことをしても何も解決できないので、土魔法で荷馬車を造って、オリハルコンを風魔法で浮かせて乗せると、土をかぶせてガッチリ固めてから、鑑定反射・鑑定切断・魔法反射・物理攻撃無効を付与したカチカチ結界で包みこんだ。これで誰にも中身は何か分からないし、直接見ることもできないはずだ。
コレで武具や剣を造ればいいものができそうだし、高値で売ることもできるな。
オリハルコンなんかより、
オレはオリハルコンのことは見なかったことにして、金銀ミスリルの鉱石を精錬することにした。
アンドリューにサリーエス様の立像を造ったときにやったから、風魔法と土魔法を併用して空中に浮かせた鉱石をざっくりと削って火魔法で徐々に熱を加えていって不純物を地面に落としていくプロセスを意識するだけで自動的に処理が進んでいった。
だんだん鍛錬場に近づいてくる物音が大きくなってきたので、入り口を見ると騎士たちが爆走して来たのが見えたので、直径二㌔程度の半透明のドーム型結界を張っておいた。
金銀ミスリルの精錬をチェックしたけど、うまくまとめることができているので、そのまま処理を進めておいて、宝石類が含まれた鉱石を風魔法で浮かせて土魔法でゆっくり削り始めた。
宝石類は確認しながらやらないと、余計な傷をつけてしまうから慎重にやったよ。
グレゴールの様子をチラチラ見ながらやったが、結界をぶち破るのを
ダイヤモンド・ルビー・トパーズ・アメジスト・ガーネット・サファイア・エメラルド、この場所で研磨を進めてもキリがないので、宝石の違いがわかる程度にしておくか。
土魔法で二台目の荷馬車を造って、土魔法で造った収納箱に細かく砕いた鉱石ガラを入れて、その中に宝石類を埋め込んで荷馬車に乗せた。
アダマンタイト鉱石もざっくり削って鉱石ガラを地面に落としておいてから荷馬車に乗せた。
アンドリューは鉱石を集め終わって、羽根をたたんでのんびりしてるから、近づいていって話をしてみるか。
グレゴールはそろそろ音を上げそうかな。
『アンドリュー、どうしてこのカナヘビがオレにサリーエス様の立像を造ってもらうという話になったんだ?』
『んー、それはグレゴールが
『それで?』
『それで…、立像を造る素材とそなたへの謝礼を用意するように言ったのであーる』
『それで?』
『それで……、この場所なら広くて人族の集まる場所からは離れているから、ここに飛んできたのであーる』
『それで?』
『それで………、グレゴールをここに待たせておいて、
『それで、どうしてオレがこのカナヘビにサリーエス様の御姿を写した立像を造ってやらなくてはいけないんだ?。いつでもサリーエス様の御姿を写した立像を造ってやるから、欲しいと言うヤツは誰でもいいから連れてこいってオレはアンドリューに言ったかな?』
『それは、言われてないであーる』
『じゃあ、どうしてオレがこのカナヘビにサリーエス様の御姿を写した立像を造ってやらなくてはいけないんだ?。オレはアンドリューが望むことをなんでもやらないといけないのか?。オレはアンドリューの奴隷なのか?』
オレは神威を全開で身体に
初めてサリーエス様の神威に
アンドリューはかなり焦って、オレに頭を下げて謝罪してきた。
『悪かったのであーる。
んー、そうか。たしかにサリーエス様の立像が身近にあると気持ちが落ち着くというのは確かだからな。
オレはポーチからサリーエス様の鉄立像を取り出して見た。
サリーエス様の加護を授かっているモノなら欲しがるのはしかたないかな。
オレが見ていると、鉄立像は柔らかい光に包まれ始めた。
サリーエス様の御力だ。
アンドリューとオレはその場に膝をついて、鉄立像を見つめた。
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