第141話 創造神様とのんびりトーク:⑪
『サリーエス様。お話したいことがあるのですが、ご都合はよろしいでしょうか?』
返事が無い。
『サリーエス様。お話ししたいことがあるのですが…』
返事が無〜い。
これはお供えモノで釣るしかないのかなと思って、結界の外側に神威吸収・内側に神威反射を付与してから両手を包んでいるツナギ結界を解除して、神威で何か食べ物を造ることにした。
何がいいかなぁ…、ドーナツにするか。
オレはダン◯ンとミ◯ドのフワフワドーナツやちょっと固めのオールドドーナツにハチミツやチョコやストロベリークリームがかかったドーナツと、ちょっと小さめのクッキー各種をどっさり山盛りにして、大きなカップにクラッシュアイスと黒い炭酸飲料をたっぷり入れてテーブルに置いてから呼びかけようとした。
『サリーエ…』
〚やあ、アラン。なんだい?〛
返事が早えよ。
もー、サリーエス様ったら食いしんぼさんなんだから〜。
『美味しいモノをご用意いたしました。どうぞお召し上がりください』
テーブルに置いた食べ物は光と共に消えた。
『今日は王城でガーシェ大帝国の帝王との謁見があったのですが、そこでいろいろありましてご相談したいのです』
〚ああ…モギュモギュ…見てたよ…ゴックン〛
『えっ?、ご覧になっていらしたのですか。気がつきませんでした』
〚ハハハハハハ、バレないようにソーッと見ていたからね…ゴクゴク〛
『しかし、私が創造神様の世界にいたときに王城内での帝王と宰相たちとの話し合いを見ていた時には気づかれましたが…』
〚あれから少し工夫して神威を感じさせないで監視することができるようにしたのだよ…サクサク〛
〚地上に暮らす者たちを監視するときに、加護を与えたモノたちがそれに気づいて気にしていただろう。だからあのモノたちの邪魔をしないように神威を感じさせないやり方を工夫したのだよ…ポリポリ〛
〚アランも神威や神眼を使いこなす練習を続ければできるようになるだろうね…ゴキュッ〛
『わかりました。頑張ります』
〚それで、謁見を終えてなにか私に相談したいこととはなにかな?…モギュ〛
『はい、まず
〚それはガーシェ大帝国の帝王の力を利用しようとしたが、それを逆手に取られてしまいそうになったからそう思うのかな?〛
『はい、そのとおりです。帝王にサリーエス様の御名前が『禁忌』では無いと広めることを手助けしてもらうと、帝王に、あるいはガーシェ大帝国に大きな借りを作ってしまい、それを返すために帝王や王族の誰かの頼み事を
〚そうだねぇ…、アランが身寄りのない平民ならどこか他の国に行ってしまうという手もあるが、家族や親族はガーシェ大帝国の貴族たちだからそういうわけにはいかないから、これからは過度に接触しないことと、あくまでもアラン個人が私の名前を口に出すことが『禁忌』では無いと広めていくことでいいんじゃないかな〛
『
〚アランは地上に戻ってまだ数日なのだから、ゆっくりと広めていってくれていいんだよ〛
〚普通の人族よりも寿命も長いんだし…〛
『おっと、サリーエスさまぁ、それをおっしゃいますか…』
〚ハハハハハハ、アランがそうなったのは、私が神威を注ぎすぎたからだったなぁ…、ハハハハハハ〛
いやいや、笑って済ませるのはヒドイヨォ。
よおし、今日はおかわりは無しだな!。
〚いや、アランよ、私は良かれと思ってやったのだから、怒らなくてもいいだろう?〛
〚あの甘くて黒い豆がたっぷり入ったお菓子が食べたいな〜。熱いお茶もいいなぁ〜〜〛
ハァー、サリーエス様に本気で怒ってはいないけれど、寿命が長くなったのはそんなに嬉しくもないんだよなぁ。
まぁ長くなったものはしかたないか。
オレはあんこのたっぷり入った大福や草餅におはぎ・羊羹・練り切り・くず餅・安倍川餅・みたらし団子・豆大福・イチゴ大福・ういろうを神威で造って熱い渋茶と紅茶をお出しした。
光と共に消えた和菓子のアレコレを見て、サリーエス様はたいそうご機嫌な様子で言った。
〚それで、相談したいことはそれだけなのかな?〛
『いえ、まだありまして。帝王の心情を神眼で読み取ったときにかなり混乱していたのが気になりました。
〚あぁ、そうだったね。アランの攻撃力と神威の威圧に
『帝王は臆病者と思いましたから、謁見の間で玉座に座るまでは私を恐れ怯えていたのは理解できるのですが、玉座に座ると強気に変わったのはどうしてなのでしょうか?。何が要因だったのでしょうか?』
〚あれは『帝王の因子』の効果だね。『王族の遺伝子』が要因だと言ったほうが理解しやすいかな〛
『王族の遺伝子…ですか』
〚歴代帝王の執念…怨念ともいえるな〛
ゲッ、ヤダ、コワーイ。
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