第633話 上々のスタート?
開幕三連戦。
僕は第2戦目は3番、第3戦目は2番で出場した。
ポジションはいずれもレフトだ。
ここまで打っては13打数4安打、守ってはエラー無しと順調なスタートを切った。
チームも2勝1敗と上々のスタートである。
次のカードは川崎でのでアウェー二連戦、その次はアウェーでの岡山ハイパーズ三連戦だった。
8試合終えた時点で、チームは5勝3敗で2位につけていた。
僕はというと、ここまで30打数9安打で打率.300、ホームラン1本、打点2、盗塁3となかなかのスタートを切っていた。
ここまで記録の上でのエラーはない。
もっともランナー二塁の場面で、レフト前ヒットを打たれた際にファンブルし、ランナーの生還を許してしまったことはある。
だが仮に上手く取って、バックホームしてもタイミングは微妙だったと思う。
まあ積極的にプレーした結果であり、仕方がない。
それくらい割り切らないと、やってられない。
今日からは再びホームに戻って、京阪ジャガーズ、仙台ブルーリーブスとの計六連戦だ。
これで各カードが一巡することになる。
1週間ぶりに札幌に戻る日は、ちょうど結衣の退院の日だった。
僕は朝一番の飛行機で戻り、病院に直行した。
「あ、パパだ」
病室に入ると、翔斗が飛びついてきた。
手には例の山崎の絵本を持っている。
「翔斗。もっと面白くて、ためになる本を買ってあげるから、その絵本、捨てようか」
「いや、翔くん、この本が良い」
「◯ンパンマンとか、ノ◯タンとか、もっと良い本があるよ。
その本を持っていると、性格が悪くなるよ」
「良いの。翔くん、この本が良い」
ヤレヤレ、この本のどこがそんなに幼児の琴線に触れたのだろう…。
「翔ちゃん、その本を片時も話さないんですよ。
私と主人でこれまでに何回読んだか…」
義母がため息をついた。
まあ飽きるまでの辛抱だろう。
どうせ子供は飽きるのが早い。
ということでタクシーで自宅に帰った。
今日から結衣、翔斗、そして結茉と4人での暮らしが始まる。
最も当面は結衣のご両親に居て頂くことになっている。
この6連戦、チームは4勝2敗と勝ち越し、9勝5敗となり、仙台ブルーリーブスと同率の首位につけている。
仙台ブルーリーブスは昨シーズンは最下位であったが、大型補強を敢行し、今シーズンは好スタートを切っている。
そしてこの6連戦、僕は21打数3安打と調子が上がらなかった。
シーズン通算では、51打数12安打の打率.235まで下がってしまった。
まあまだシーズン序盤であり、それでもこの間で盗塁を3つ決め、盗塁数は6個とリーグ2位に付けている。
守備面でも自分で言うのもなんだが、昔から外野をやっていたんじゃないか、とファンの間から囁かれるほど、安定しており、また俊足を活かした攻守で何度かチームの危機を救った。
(ノーコメント。作者より)
そして今日からは熊本での3連戦である。
札幌から熊本はプロ野球チームの移動距離としては、最長である。
飛行機も直行便はなく、羽田空港で乗り継ぐか、博多から新幹線での移動となる。
僕は博多から新幹線で行くのが好きである。
福岡空港から博多駅は地下鉄で5分程度であり、とてもアクセスが良い。
そして博多駅から熊本駅までは、新幹線で30分程度である。
熊本も一度ゆっくり観光してみたい町である。
「プロ野球選手はいろいろな街に行けて良いですね」、と言われるが、実情としては一部の選手を除けば、空港とホテルと球場の三箇所を巡るだけである。
もっとも下山選手や、泉州ブラックスの岸選手、高台選手のように行く先々で夜の店を開拓する選手もいる。
よく金と体力が続くものだと感心する。
なお熊本市内の描写が全くないのは、作者が行ったことがないからである。
行ったことがなくても、書籍等で情報を仕入れて、イメージを膨らませて書くべきではないだろうか。
僕はこれは作者の怠慢だと思うが、皆さんはどう思いますか?
さて不調脱出に向け、今日から仕切り直しだ。
僕は気合を新たにした。
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